大名小跡地、風営法の規制外れてビッグバン?(中)
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風営法の保護対象の機能、盛り込まれず
福岡市住宅都市局長は、旧大名小学校跡地まちづくり構想検討委員会のスタートにあたって、こう述べた。
「都心部の貴重な空間である旧大名小学校跡地の活用にむけ、従来、学校施設が担ってきた役割や都心部の機能強化と魅力づくりの観点を踏まえながら、これまでの歴史を礎に、これからの福岡を創るというメッセージを込めた場となるよう、委員皆さまのお力添えをいただきながら、今後の跡地のまちづくりの道しるべとなる『まちづくり構想』をつくっていきたいと考えています」。
旧大名小学校跡地まちづくり構想(原案)は、まちづくりの方向性の中で、「学校施設が担ってきた役割をはじめ、多様な要素を兼ね備えることが求められる」と、「学校施設が担ってきた役割」と抽象的に触れているものの、「跡地に備えるべき機能」からは、風営法の保護対象という機能がすっぽり抜け落ちている。
「これまで学校施設が担ってきた役割」には、教育機能や避難所、夏祭りや地域交流の場などさまざまあるが、地域住民にとっては、「風営法の保護対象となる機能」が含まれていて当然だ。事務局案は「取り組み」に終始
住民代表の委員は検討委員会で、第1回から「風営法の網のかかるような施設にしてほしい」と述べ、保育園、老人介護施設、幼稚園などを挙げていた。小学校としての機能を一部でも残すことも議論されている。
しかし、4回を重ねた検討会議で事務局が示した案は、最初から最後まで風営法の規制がなくなるのを前提に、「周辺環境を悪化させない取り組み」に終始した。
まちづくりの6つの方向性のうち「居住性」の中に「こどもから高齢者まで幅広い年齢層の人が暮らし続けられる、暮らしを支える交流空間づくりや、生活環境を悪化させない取り組み」と記載され、「今後の検討課題」として「風営法の規制が無くなると生活環境の悪化が懸念されるため、導入機能や周辺環境を悪化させない取り組みについて検討する」とあるだけだ。「取り組み」で規制できるのか?
風営法の規制がなくなっても、学校があったときと同じような規制が可能なのか、どんな取り組みがあるのか、市の担当者に疑問をぶつけた。
都市住宅局都市再生課の回答は「どんな施設を入れるかは、来年度以降の議論」「地区計画や建築協定をつくる方法も1つ」というものだった。
地区計画や建築協定で、風営法と同じ規制が可能かどうか、違うなら制度の比較を検討委員会に示すべきではないかと問うと、「どのような機能を入れるか入れないかという議論の時に出すべきもので、今は出さない。適切な時期に必要に応じて出す」と答えた。
地区計画というのは、都市計画法に基づいて決定するものなので、その地区で規制に合意しない人がいると困難だという。建築協定は、合意した土地所有者同士が定めるルールなので、協定に参加しない土地所有者は、規制の対象外になる。
実効性があるどのような取り組みがあるのか明確な回答はなかった。構想(原案)には、「跡地に備えるべき機能」として、「都市の成長を牽引する新たなビジネスを支える機能」などが明記されているのと対照的に、「風営法の保護対象となる機能」という文言は構想(原案)にはない。施設の議論をするときに、「そのような機能は構想に入っていませんよ。取り組みをするだけです」と行政が拒否する根拠になっても、「風営法の保護対象となる施設」を導くことはできないと読むのが、普通の日本語の解釈だ。
(つづく)
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