設立から四半世紀、「選択と集中」を掲げさらなる信頼の獲得に今また邁進|エフ・ティ・エス

<COMPANY INFORMATION>
(株)エフ・ティ・エス

代 表:福澤裕士
所在地:福岡市博多区吉塚4-6-17
設 立:2000年3月
資本金:1,800万円
TEL:092-624-2938
URL:http://www.f-ts.co.jp


 (株)エフ・ティ・エスは今年で設立25周年を迎えた。企業として大きな節目であるとともに、社長の福澤裕士氏にとってはひときわ感慨深い年になったようだ。父親が突然に世を去り事業を引き継いだのが15年前。以来、同氏は多くの苦難を乗り越えて今日に至ったのだが、いまだ父の存在を超えられない自分を痛感するばかりだという。

【目次】

  • 「商は信なり」に込められた企業哲学
    塗料・防水材料の専門商社として、約600社・2万種の資材を扱いながら、顧客ごとの課題に向き合う「商は信なり」の営業スタイルを紹介する。
  • 引き継がれる熱い想い
    先代の急逝を乗り越え、経営ノウハウや社員への信頼を受け継ぎながら、顧客にとって「頼れる存在」であり続ける社長の想いを描く。
  • 設立25年を迎え感謝の言葉しかない
    独立創業から震災・コロナ禍を経て、「選択と集中」を掲げる現在までの歩みと、社員旅行や職場環境整備など人を大切にする取り組みを伝える。
  • 求人情報

「商は信なり」に
込められた企業哲学

福澤裕士代表
福澤裕士代表

    (株)エフ・ティ・エスは塗料・防水材料を専門に取り扱う卸販売業だ。約600社を相手に2万種の資材を取り扱う。従業員数は36名、社長の福澤裕士氏を旗頭に顧客のニーズに応えるきめ細やかな営業を繰り広げているのが特色だ。組織の根底に流れる哲学は「商は信なり」という社是に象徴されるだろう。顧客から日々上がってくる要望は多種多様だ。彼らが何を求めているのか、どうすれば解決できるかを社員はプロフェッショナルとして判断し最善策を提案していく。

 「マンネリと程遠いのが私たちの仕事です。日々新しい課題に直面し、時にはその対応に四苦八苦します。取引先は多様ですから、それぞれにマッチした最適解を提案し続けていくことは、決して容易ではありません」と語る福澤氏。

 こう聞くと仕事はよほど大変なのかと思うかもしれない。でも、同氏が伝えたいところは少し違う。

 「日々の変化を楽しく思える人材こそが、当社にふさわしいと考えています。同じことを繰り返しているだけではつまらない。たくさんの経験を通して成長できる自分を実感したい。そう考える人材です」。

倉庫には資材がずらりと並ぶ
倉庫には資材がずらりと並ぶ

    実際、資材の特性を把握するだけでも至難の業だ。しかも相手にするのは各分野の専門家たち。生半可な知識が通用しないことは容易に想像できる。一人前になるまで4、5年は要するという。

 「もちろん成長の過程では多くの失敗もあるでしょう。でも、そこで自分を誤魔化してはいけない。仕事に真摯に向き合い、顧客や社員同士の関係において本当の信頼を勝ち得ることが肝心だと考えています」。これこそ同社が掲げる「商は信なり」の意味するところだが、同社の社員は日々の仕事を通してその意味を実感していくという。

引き継がれる熱い想い

 福澤氏は大学卒業と同時に入社し、末端の社員として社会人生活のスタートを切る。営業として多くの顧客と向き合うことで学ぶことは果てしないと感じていた宮崎支店勤務時代32歳のとき、突然本社に呼び戻されることになる。先代は58歳とまだ若く、これからさらに活躍すると思われていた矢先に深刻な病に侵され後継育成が急務となったのだ。1、2年をかけて引き継ぐつもりだったようだが、そこからわずかひと月ほどで容体が急変。福澤氏は頼る人を失う。

 追い込まれた同氏。しかし自分を奮い立たせるしかない。幸いだったのは先代が几帳面な人物で、経営に関するあらゆる文書を整理整頓した状態で遺していたことだった。現場での経験を頼りに、謎解きの如く少しずつ読み解いていく。資料からみえてきたのは独自に組み立てられた経営のノウハウ、そして父の経営者としての知られざる葛藤だったという。

 「経営者としての父を見ていたつもりでしたが、その姿はほんの一部だったことに気づかされました。知られざる経営判断の数々。たった1人で悩み抜き、最後は自分がすべての責任を負う。その覚悟がわかりました」。今の自分が同じく厳しい決断を迫られるとき、いつも向き合うのは社長室の壁にある先代の写真だという。

 そしてもう1つ父が遺してくれたかけがえのない財産があると語る福澤氏。信頼してやまない社員らの存在だ。業績が維持できているのは彼らのおかげ。きめ細かな営業を可能にしているのは彼らの力があるからだと語る。

 「資材を納品する現場は千差万別です。教科書通りに済むなら苦労はないのですが、実際はその場に応じたやり方、工夫が求められます。そうした現場を今まで見聞きした経験を生かし、顧客のさまざまな気持ちを汲み取り解決案を導き出せるのが当社の営業です」。

 これまで父の時代から積み上げてきた信頼、そして長い年月を経て蓄積されてきたノウハウや自分たちだけの知恵。資材の供給ということを超えて顧客が頼りにする存在であること。福澤氏が自負する「力」とは、つまりそういうことだ。

設立25年を迎え
感謝の言葉しかない

 同社は、初代福澤利弘氏が2000年に井上喜(株)から独立しスタートした。必死に足場を固めた10年、そして世代交代直後に起こった東日本大震災、記憶に新しいところではコロナ禍もあった。決して順風満帆とはいえない25年だ。

 コロナ禍の際に、福澤氏は印象的な言葉を残している。

 「どんなことがあっても耐え得る会社づくりを絶えず意識してきました。不安はありません。いや、このときのために努力してきたんです」。

 トップとして第一に考えるべきは、全従業員やその家族、すべてのステークホルダーに迷惑をかけないこと。とくに社員とその家族の生活は絶対に守るべきだという。

慰安旅行(香港)の様子
慰安旅行(香港)の様子

    そして今、福澤氏は経営方針「選択と集中」を掲げる。既存の顧客との関係を今以上に深め自分たちにしかできないサービスを提供する。さらなる信頼を勝ち得ていくことを強さにするのだという。コロナ禍で中断した社員旅行も復活した。24年はソウルに行き、25年は香港を訪れたという。また、25年には本社の内装を刷新。労働環境の充実にも気を配る。

 顧客、社員、そして周囲の人たちに対して、感謝の言葉しかないと語る福澤氏。そうした想いは同氏が日々の仕事に使うクルマにも見て取れた。亡き父の愛車を受け継ぎ15年間も乗り続けているのだ。古くも美しく保たれた黒のセダンは、感謝の表れにほかならない。


<求人情報>
(株)エフ・ティ・エス

(株)エフ・ティ・エス 求人情報業 種 :塗料・防水材・卸売業
職 種 :営業
勤務地 :福岡支店(福岡市博多区吉塚)
採用担当:総務/谷山
TEL :092-624-2938
採用ページ:http://www.f-ts.co.jp/recruit.html

関連キーワード

関連記事