九州電気保安協会に再び不適切事案の疑い、監督官庁が調査中 24年には厳重注意

 (一財)九州電気保安協会(福岡市博多区)が、現在、監督官庁である経済産業省九州産業保安監督部(以下、監督部)から調査を受けていることが分かった。同協会は2024年10月に、自家用電気工作物の点検未実施などの不適切事案をめぐって厳重注意を受けている。

「調査中なのは事実」

 当社の取材に対し監督部と同協会は、現在、調査が行われている事実を認めた。調査結果の具体的な公表については明言を避けたが、不適切な事案があったと認められれば公表されることになる。

24年に不適切事案で厳重注意

 同協会は24年、一般用電気工作物の調査業務を受託している一部の事業場において、調査員が虚偽の記録を記載したり点検を一部実施していない事案や、また、保安管理業務を受託している一部の事業場において、絶縁監視装置の設定値を不適切に運用していた事案が明るみとなった。

 具体的には、家庭に電気を引き込む電線に取り付けられた装置で漏電の有無を調べる際に調査員が点検記録を偽って記載していたり、事業所に設置された「絶縁監視装置」において漏電を検出するための基準値を変更して同協会へ通知を届きにくくしていたケースがあった。

 同年10月、これらの事案発覚を受けて監督部は、同協会に対して厳重注意処分を行い、「根本原因の分析」や「再発防止策の策定」、さらには「役員の役割分担と責任の明確化」を求める報告命令を出していた。

 今回、再び不適切事案の発生が認められた場合、24年に策定された再発防止策が適切に機能していたのかどうかなど調査結果の公表が待たれる。また、わずか2年を待たずして同様の事態が再発していたとすれば、組織の自浄能力にも重大な疑義を抱かせるものだ。

問われる組織体質と天下りの影響

 周知かと思うが、同協会のような団体は官庁からの天下り先となっている。調べたところ、現在同協会のナンバー2である専務理事は、経済産業省大臣官房付から天下った人物だが、その前は九州経済産業局で部長クラスを務めていた。産業・経済政策を担う九州経済産業局は、同協会を監督する保安部門の九州産業保安監督部とは別組織だが、同じく経済産業省の九州における出先機関である。このように実質的に同じ監督官庁から監督先への天下りが行われることが、監督官庁と団体の馴れ合いにつながることはないのか。そのような点も含めて、当該問題の今後の展開を注視していく必要があるだろう。

【寺村朋輝】

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