デルパラ前社長に執行猶予付き有罪判決 参院選での組織的買収認定 モリナガ案件含め波紋
2025年7月の参議院議員選挙をめぐる公職選挙法違反(買収)事件で、東京地裁は26日、パチンコホール「デルパラ」を展開する(株)デルパラ(東京都港区)の前社長・李昌範(山本昌範)被告に対し、拘禁刑3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。また、幹部2人にも拘禁刑2年、執行猶予5年を言い渡した。
判決によると、李被告らは「デルパラ」と鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」の各店長らと共謀し、従業員203人に対し、自民党比例代表で立候補していた阿部恭久氏への投票を呼びかけ、見返りとして現金を支払うと約束した。投票用紙に阿部氏の氏名を記入して撮影し、メールなどで送信すれば残業代名目で報酬を支給する仕組みだったとされる。
裁判所は「会社における指揮命令系統を利用し、多数の従業員を巻き込んだ大規模かつ組織的な投票買収」と認定した。
同事件では(株)モリナガ(鹿児島市)を含むデルパラグループ関係者約230人が書類送検され、平成以降では最大規模の選挙違反事件とされる。このうち117人はモリナガの店長や従業員らで、10人が略式起訴され罰金刑を受け、105人は不起訴、特定少年2人は家裁送致となった。
モリナガはもともと城山観光(株)(鹿児島市)の子会社で、25年1月に約28億円でデルパラへ売却されたばかりだった。売却先の選定過程や価格の妥当性をめぐっては城山観光の一部株主から疑問の声が挙がっていた経緯もある。買収直後に発覚した今回の事件は、M&A後の統治体制や内部統制の実効性にも影を落とす格好となった。
なお、李被告は26年1月23日付でデルパラおよびモリナガの社長職を辞任している。実刑は回避されたものの、前経営トップの刑事責任が司法判断で明確に認定された意味は重い。両社のガバナンス体制再構築と信頼回復への道筋が問われている。
【鹿島譲二】








