九州で「No.1」表示
17日、消費者庁は太陽光発電システムや蓄電池などの販売施工を手がける(株)安心頼ホーム(本社:福岡市東区、松本政洋代表)に対し、景品表示法に基づく課徴金納付命令を発出した。同社は、いわゆる「No.1表示」において、客観的根拠を欠く不当表示を行っていたと認定された。
同社は2023年4月、自社ウェブサイト上で「九州エリア口コミ満足度No.1」などと表示。蓄電池や太陽光発電システム、エコキュート等の販売施工に関し、あたかも利用者による調査結果に基づき高い評価を得ているかのように示していた。
調査実態は「印象評価」
しかし、根拠とされた調査は、実際の利用者かどうかを確認せずに回答を集めたもので、複数事業者の比較も恣意的に抽出されたものだった。実態はウェブサイトの印象を問うアンケートにすぎず、客観的な満足度調査とはいえない内容だった。これについて消費者庁は、この表示が優良誤認に該当すると判断した。
同社が課徴金対象行為をした期間は、23年4月7日~5月29日まで。同社が当該行為をやめた日から6カ月を経過する日までの間に行われた取引は2億7,541万3,940円。算出された課徴金は826万円で、納付期限は本年10月19日とされた。
なお、本件に関して同社は、24年2月に公正取引委員会からすでに措置命令を受けている。
構造化する「No.1ビジネス」の問題
本件は、太陽光や蓄電池といった訪問販売・比較困難な商材において広がる「No.1表示ビジネス」の典型例ともいえる。第三者調査を装いながら、実態は広告に近い調査手法が用いられるケースは業界内で常態化している。
とくに住宅設備分野では、消費者が性能や価格を横断比較しにくい構造があるため、「満足度No.1」などの表示が購買判断に強く影響する。こうした表示の信頼性が揺らげば、市場全体の健全性にも影響をおよぼす。
今回の処分は、単なる一企業の問題にとどまらず、広告表示と調査ビジネスの境界が曖昧な業界構造に対する警鐘と位置付けられる。
【寺村朋輝】








