アビスパ福岡、ハナンの同点弾!PK戦で京都に勝利

百年構想リーグWEST第15節のスタメン
百年構想リーグWEST第15節のスタメン

アカデミー出身のハナンの得点で
スタジアムは沸騰! 

 6日、明治安田J1百年構想リーグWEST地域リーグラウンド第15節がベスト電器スタジアムで行われた。アビスパ福岡は京都サンガF.C.を1―1(PK5−4)で下して勝点を20に伸ばし、9位に踏みとどまった。

 7連戦の6戦目となる過密日程のなかでの試合となる福岡は、コンディションや出場停止の影響を踏まえて前節からスタメン5人を入れ替えた。しかし、試合は立ち上がりから京都の圧力に押される展開。前線にはFWの碓井聖生と道脇豊を据え、強度が高い京都DF陣に高さとスピードで挑んだが、ボールが収まらず攻撃は停滞。どうにか攻撃につなげたい福岡だったが、空中戦やセカンドボールで後手を踏み、流れをつかめないまま、28分にコーナーキックから先制を許した。

 その後も決定的なかたちをつくれないまま時間が経過し、前半アディショナルタイムにはMF見木友哉がミドルシュートを放ったものの、前半の福岡のシュートはこの一本にとどまるなど、攻撃の糸口を見いだせない苦しい内容となった。

 後半に入り、64分にDF辻岡佑真、MF重見柾斗、FWサニブラウン・ハナンを投入した後は、徐々にセカンドボールへの反応や球際の強度が改善し、京都ゴールへ迫る場面が増える。そして74分、見木の右コーナーキックのボールをハナンが頭で合わせて同点にして、試合を振り出しに戻した。

 塚原監督が試合後の会見でハナンを投入した意図について「彼の高さや背後に抜けるスピードは相手が嫌がるだろうというところと、アカデミー出身であるハナンが出場するとスタジアムが沸き立つ。彼を入れてスタジアムの雰囲気を変えたかった」と話した。

 その狙い通り、ハナンはピッチに立つやいなや持ち味の高さと背後へ抜けるスピードを発揮。指揮官とスタンドの期待に応えるプレーで流れを引き寄せ、スタジアムの空気を一変させた。スタンドでは、後輩であるアカデミーの選手たちが登場の瞬間からひときわ大きな声援を送っていた。待望の得点が生まれると、その喜びは一気に爆発。憧れの存在である“先輩”の一撃を大歓声で称えた。

 その後も攻撃の手を緩めない福岡だったが、京都の守備陣が粘り強く対応し、試合は1―1のまま終了。勝負はPK戦へと持ち込まれた。百年構想リーグ開幕後、7試合目となるPK戦は、京都の3人目が外すも福岡は5人全員成功。冷静に決め切り、接戦を制した。

ヒーローインタビューを終えてサポーターに挨拶するハナン
ヒーローインタビューを終えて
サポーターに挨拶するハナン

    内容では、福岡のシュート9本(枠内4本)に対して京都はシュート16本(枠内11本)を放つなど、押し込まれる時間が長かったものの、最後まで耐え抜き、PK勝ちへとつなげた点は前向きに受け止められる。

 次節は清水エスパルスとの対戦。清水は4位ながらも福岡との勝点差は2と僅差。上位浮上へ向けた重要な一戦は、90分での勝利をつかみ取りたい。

限られた出場機会で示した
前田快の大物感

 福岡の特別指定選手枠でこれまで4試合に出場している神奈川大学所属のMF前田快(こころ)が、創造性溢れるプレーで福岡のファン・サポーターの心を鷲づかみにしている。大学との兼ね合いもありコンスタントな出場は難しい立場ながら、京都戦では初めてのフル出場で存在感を発揮した。

 主戦場は関東大学リーグ2部にあるため、今回もチームに合流したのは試合の前日だったという。福岡に途中加入したDF宮大樹とMF椎橋慧也とは面識がなく、「はじめまして」と挨拶をするところからのスタートだったと話し、記者陣を笑わせる余裕を見せた。

 一方で試合については「強度の強い相手に対してもっと自分の良さを出したかった。もっとボールに絡む回数を増やしていきたい」と振り返った。前田の代名詞になりつつある“超ロングスロー”については「自分のプレーで観客が沸いてくれるのはうれしい。大学の試合ではこんなに本数を投げることはないが、こうして試合に関われているのは自分の価値を高めるチャンスと考えている」と語る。京都戦では11本投げ込み、攻撃の起点として相手の脅威になっていることは間違いない。

 また、京都はジュニアユース時代を過ごした古巣でもあり、ユース昇格を果たせなかった悔しさが残るチームでもある。「対戦を楽しみにしていたし、成長した姿を見せたかった。対戦できるとわかって、張り切ったというか“たぎった”」と特別な思いも明かした。PK戦では3人目のキッカーとしてきっちり決めた後、京都のスタンドに知り合いを見つけて一礼する強心臓を見せた。

 この試合での前田の走行距離はチームトップの11.54㎞を記録し、さらにパス数とタックル数、こぼれ球奪取数もチームトップとなる数字を叩き出した。限られた出場機会のなかで強烈なインパクトを残す前田の存在は、チームに競争をもたらし、新たな風を吹き込んでいる。

カワイイが大渋滞!
スビーくんDAY開催

大人気のスビーくんぬいぐるみキーホルダー
大人気のスビーくんぬいぐるみキーホルダー

    6日の京都戦で開催された「スビーくんDAY」。2021年に新キャラクターとして登場以来、愛嬌あふれる仕草と親しみやすい存在感で人気を集めているスビーくん。この日はスタジアムのあちこちにパネルが掲げられ、来場者を楽しませた。

 グッズ売場では新商品「スビーくんぬいぐるみキーホルダー」が飛ぶように売れ、多くのサポーターが手にする姿が見られた。

 ピッチの熱戦とともに、スタジアム全体を盛り上げたスビーくんDAY。クラブに新たな彩りを加える存在として、今後もその人気に注目が集まりそうだ。

スタジアムに飾られたスビーくんのパネル
スタジアムに飾られたスビーくんのパネル

【川添道子】

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