2024年11月25日( 月 )

【現地レポート】都市の様相に見るミャンマーの発展・進化

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
ヤンゴン国際空港の増設<

ヤンゴン国際空港の増設

 福岡空港よりタイ・バンコクを経由し、トランジット含め約10時間で到着したミャンマー最大の都市ヤンゴンにあるヤンゴン国際空港。現地関係者の話では、「毎年空港の環境や設備がバージョンアップされている。ミャンマーは、2010年11月の軍事政権から民政に移行して以来、国家をあげて急激な経済発展を進めており、特にヤンゴン周辺は、交通インフラ含め国民の生活に関わる設備および施設が新たに作られている。一方で、経済成長にともないお金を稼げる人々とそうでない人々の差が拡大していることも事実である」という。

 ヤンゴン市街地は、昼夜を問わず交通量が多い。鉄道も走っているが、ヤンゴンの街では自動車とバイクが国民の主な移動手段だ。運転マナーは褒められたものではない。車線は守らない、強引な割込み、ひっきりなしのクラクションの大音響、信号のないところでも平然と道路を横切る歩行者など、日本人のマナーの悪さなどとは段違い。追突しそうなシチュエーションなど危険な場面が頻繁に見られる。ちなみに、走っている自動車の90%が日本ブランドである。日本から払い下げられたのか、日本の鉄道会社の名前が入ったバスも運行されていた。参考までにミャンマーで自動車はかなりの高額だ。「日本のように車検は存在しないが、自動車への税金が高い。仮に100万円の車両を購入するとほぼ同額の税金がかけられる」と驚きである。

 インフラの整備が進んでいることを表す、事象の1つが、ホテルの建設ラッシュだという。経済の自由化により、海外からの訪問者が増えており、ホテルの数が不足しているという。また、宿泊料金が直近の3カ年で約3~4倍に高騰している。
 住宅においては、日本でいう“古民家”風の旧型の一戸建てが数多く見られる。また、宮殿のような門構えと塀に囲まれた豪邸も点在している。そのような中で、築年数が40〜50年経過しているアパートなど集合住宅も多く存在する。この住宅の様相を見るだけで、国民の所得格差が大きいことが理解できる。現在のヤンゴンでは、高級マンションの建設も行われている。今後、旧式や築年数の古い建物の建て替えで、新たなマンション建設が増加していくと予想されている。

 そしてミャンマーの発展を裏付ける代表的な事象が、ヤンゴン国際空港の拡大工事である。同空港のターミナルは国際線と国内線に分かれており、増設するターミナルは国内線である。近年の国内経済発展の恩恵や海外からの訪問者の増加により、ミャンマー各都市への観光のニーズが高まって、現在のターミナルではキャパシティが足りない状況にある。中国語やハングルの文字が、ヤンゴンの街の至る所で目にするが、今後もミャンマーには、ますます発展・進化していくことが期待される。

【河原 清明】

 

関連記事