息子には相続税で苦労させたくない

　２代目Ａ氏は相続税で苦労した。先代の親父から事業を継承したが、相続税納入額が4億円と確定した。【どう支払うか！！物納するか】と眠らずに対策を講じた。至った解決策は【毎年2,000万円払いで分割期間20年】だ。税務署と交渉して相続納税の分割が始まった。　

　20年の月日が流れると、今度は3代目息子の相続税対策が緊急の課題となった。Ａ氏の個人資産は他の子どもたちに相続させる。会社評価の相続は3代目長男に譲ると20年前から決めていた。20年目と比較して会社の価値評価は二桁に高まった。【息子に心痛を与えたくない】と巧妙な対策を講じた。
　３代目には年収１億円を取らせた。手取り6,500万円しかない。その内5,000万円を生前贈与資金に回してきたが、とてもじゃないが補填には追いつかない。
　Ａ氏の悩みは深く、抜本的な対策にはなっていない。