福岡営業所開設３年で年商は倍増

プレナム機工（有）　代表取締役　福吉　浩樹

パイプカバーの代理店要請が追い風に

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冷媒配管のパイプカバー「アーマフレックス」

　プレナム機工（有）は、冷凍や空調設備の資材や機器を扱う専門商社。1992年に現社長の福吉浩樹氏の父親が鹿児島市で設立後、順調に業績を伸張。2010年には、福吉社長に就任し、12年６月、福岡営業所を開設した。

　「冷媒などの配管を守るパイプカバーのメーカーから、北部九州でも代理店を務めてほしいと要請されました。在庫を抱え、販売から配送、フォローまで行うスタイルが評価されたようです。メーカーの物流センターに近い東区松島に本社と同規模の倉庫を構え、業者さんのニーズにいつでも応えられるようにしました」。

　同社が扱うパイプカバー「アーマフレックス」は、1954年に米国で開発された。気泡を持つニトリル系の合成ゴム製で、保温・断熱のほか結露防止にも高い効果を持つ。そのため、冷凍・冷蔵設備の床下や壁内の配管工事では、最も信頼されている資材だという。

　一極集中が進む福岡では、スーパーやコンビニの出店が活発だ。冷凍や冷蔵のショーケースは、ドラッグストアでも冷食や日配品を扱うために導入するところは多く、パイプカバーの需要は格段に高まっている。
　同社がその九州唯一の代理店となったことで、空調や住設機器のメーカーにも情報が伝わり、取引先業者を紹介されるなど、営業面でも追い風となっている。

　売上は、開設から３年を待たずに本社に並んだ。冷凍と空調の比率は目下、本社が半々、福岡営業所が８：２。「福岡が半々になれば、売上でも追い抜くことは間違いない」と福吉社長は読む。

福岡市のPM2.5対策にも期待

　空調設備は、桜島の降灰対策のために市立学校が導入したため、本社では過去３年間は好調に推移した。一方、福岡市がPM2.5対策として学校への空調設備導入を検討している点にも、期待を寄せる。

　「鹿児島中央駅周辺では、ビルやマンション建設など再開発が進んでいます。工事業者さんは福岡から長期出張されるケースも多く、弊社が直接現地に資材をお届けできるので、手ぶらで行けると好評です。福岡に営業所を展開したことで、情報は鹿児島より早く入ってくるので、営業もかけやすくなりました」。

　同社が誇る物流システムの「迅速配送」は、地元では工事業者はもとより、大手メーカーの鹿児島支店に評価されていた。福岡進出とともに同メーカーの福岡支店にも浸透し、「九州全域」という冠がつくまでになった。今日では、同社の営業態勢を支える重要な看板とも言える。

　現在、取引先の数は本社が常時200社、福岡営業所が同100社。福岡の市場規模は鹿児島の比ではないが、その分競争も激しいことから、今後は取引継続はもちろん、顧客数の拡大がカギを握る。
　幸い、福岡市は人口の膨張で、水の問題が深刻になる。さらなる節水対策は重要で、同社が扱う水道配管資材への新たなニーズが生まれるかもしれない。
　福吉社長は九州南北の２大拠点を足がかりに、熊本など未開拓のエリアにも積極的に営業をかけ、市場を掘り起こしていく考えという。

※記事内容は2015年８月31日時点のもの

＜COMPANY INFORMATION＞
プレナム機工（有）
代　表：福吉　浩樹
所在地：福岡市東区松島1-44-17
設　立：1992年11月資本金：300万円
ＴＥＬ：092-292-8608
ＵＲＬ：http://purenamu.jp/

＜プロフィール＞
福吉　浩樹（ふくよし　ひろき）
1976年１月、鹿児島県生まれ。創業者である父親が体調を崩したため、22歳でプレナム機工（有）に入社。2010年に社長に就任。12年、取引先メーカーから北部九州での代理店要請を受け、福岡営業所を開設。