海外戦略にも積極的。賃貸保有戸数9年連続日本一企業
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オリエントキャピタル(株) 代表取締役 山本 親幸
ソフトウェア開発から不動産事業へ
現在では賃貸保有戸数日本一のオリエントグループだが、1984年4月の設立時は北九州市でオリエント電子(株)としてソフトウェア開発を主体としていた。不動産事業はサイドビジネスに過ぎなかったのだが、やがて本格的に賃貸マンション開発に取り組むことになる。当時はインターネットも普及していないコンピューター黎明期だったが、ソフトウェア開発事業を手がけていた強みを生かし、HA(電話でのエアコンON/OFF等の機能)やキーレスエントリーなどセキュリティを重視した物件を手がけた。不動産事業の本格的な飛躍は、2000年に入って金融機関の不良債権処理が進められたことが大きい。同社の実績を知った金融機関が不動産購入の話を持ち込むようになり、同社の不動産事業は加速した。03年には実質本社を福岡市に移転し、05年に現在の社名に変更。北九州市が中心だった賃貸マンションも、福岡市、広島、東京と全国主要都市に拡大した。
国内での拡大と並行して、海外展開にも積極的だった。同グループはニューヨーク、香港、シンガポールにグループ会社を設置。アメリカではニューヨーク州で「キャロルストリートオリエントNo.92」を08年に取得し所有している。またマレーシアでは、国家的プロジェクトへの参画も果たしている。山本親幸社長は創業時から地球単位でのビジネスを考え、グローバル展開を意識していたという。14年には12月27日からの休みを狙ってドイツ周りで世界を一周。日本人が正月休みの間に、ニューヨーク・テキサスでは不動産案件を詰め、スリランカではレジデンス棟が完成し、ダラスではオフィス物件を購入した。
ボーイング737購入で航空機事業にも進出
同グループの成長を支えるのが、所有物件の稼働率の高さだ。福岡と東京にそれぞれ拠点を置く同社は、賃貸保有戸数で9年連続全国1位(グループ連結)を維持しながら、全所有既存物件(新築部件除く)の主要稼働率は驚異の99.14%(15年3月時点)を誇る。不動産事業を始めた当初に掲げた理念「よりよい居住空間の提供に挑戦」してきた結果だ。ソフトウェア開発で培ったITを生かし、セキュリティ面で高評価を受けたことも大きい。カラーモニター付きのインターフォンを備えた「パーフェクトセキュリティシステム」では、室内の緊急ボタンを押すだけで警備会社が対応。非接触型鍵の「キーレスエントリーシステム」も逸早く導入していた。また、高付加価値型の賃貸マンション「CLUB ORIENT(クラブオリエント)」シリーズも話題を呼んだ。都心までの送迎や入居者専用のネットラウンジ、コインランドリー、フィットネスルーム、屋上展望台の設置など、従来の賃貸マンションのイメージを覆すサービスを提供している。
最近では、航空機のドライ・リース(航空機のみをリースする)事業にも本格的に進出し、ボーイングB737(137人乗り)を購入。大手エアラインにリースし、今後は所有機数を増やしていく方針だ。
福岡発の企業ながらグローバルな展開を進めるオリエントグループ。ワールドワイドなコアコンピタンス(選択と集中)経営で、さらに福岡に貢献してくれるだろう。※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
オリエントキャピタル(株)
代 表:山本 親幸
所在地:福岡市博多区上牟田1-11-1
設 立:1984年4月
資本金:1億円
TEL:092-414-1122
URL:http://orient-gr.co.jp/<プロフィール>
山本 親幸(やまもと ちかゆき)
1956年2月生まれ。九州工業大学卒業。84年に前身となるオリエント電子(株)を設立。2005年に商号をオリエントキャピタル(株)に変更し、代表取締役を務める。趣味はゴルフとマリンスポーツ。関連キーワード
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