2024年11月23日( 土 )

【緊急続報】9人目発症、福岡県内ではしか感染拡大の恐れ

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 福岡県は15日、新たに3名がはしか(麻しん)を発症したと発表した。新たに発症が確認されたのは、春日市の30代女性と、大野城市の20代女性、福岡市城南区の生後2カ月の女児の3名。今年4月以降、福岡県内で確認されたはしか患者は9例目となり、感染拡大が懸念される。
 県では短期間にはしかの発症例が相次いだことを受け、15日に「感染症危機管理対策本部」を設置。関係機関での情報共有を徹底していくことや、医療機関に対して院内感染防止などの注意喚起をしていくことなどが話し合われた。

 はしかは、感染後に10~12日ほどの潜伏期間を経て発熱やせきなどの風邪に似た症状が現れ、38度ほどの発熱が数日続くほか、赤いぶつぶつの発疹が全身に出る。とくに妊婦は重症化しやすく、流産や早産の原因になることもある。また、発症者の約3割が肺炎や中耳炎、ときには脳炎などの合併症を併発する可能性があり、ひどい場合は死に至る。なお、発症後の効果的な治療法はなく、対症療法などにより回復を待つしかない。

 感染力はインフルエンザなどと比べても非常に強く、空気感染や飛沫感染、接触感染などで人から人へ伝播し、免疫をもたない人が感染すると、ほぼ100%発症に至る。予防にマスクや手洗いなどは効果がなく、ワクチン接種が唯一の有効策とされ、現在は1歳時と小学校入学前の計2回の定期接種を受けることになっている。2回接種することにより、ほぼ免疫を獲得できるとされるが、1977年から90年生まれの世代では定期接種が1回だけだったため、現在28歳~41歳の年齢の人では、免疫が不十分な人も多いとみられる。

 県がん感染症疾病対策課は、「発熱や発疹など、『はしかかな?』と思われる症状が出た場合、すぐに医療機関に連絡したうえで受診し、指示に従ってください。また、感染力が非常に強いため、発症の疑いがある場合は、公共交通機関の利用は極力控えてください」としている。

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【坂田 憲治】

▼関連リンク
・はしか発症、福岡県内で4例目 ~ 春日市・筑紫野市近辺で2次感染に注意
・【続報】はしか、新たに2人発症、県は対策本部設置へ ~春日市・筑紫野市・太宰府市近辺で2次感染に注意

 

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