4月30日に「戦争と文学」シンポジウム開催
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NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、4月30日に開催される日本ペンクラブ主催の「戦争と文学」シンポジウムについて触れた、4月10日付の記事を紹介する。また、有料会員のみのメルマガでは、北海道5区衆院補選について触れている。
3月18日に開催されたオールジャパン平和と共生主催「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」の第1部を中心に収録した動画映像を、市民メディアNPJ(News for the People in Japan)が公開してくださっている。
NPJ代表で弁護士、山梨学院大学教授の梓澤和幸氏には3月18日の集会でご発言をいただき、このほどオールジャパン平和と共生の顧問にもご就任いただいた。梓澤和幸氏は日本ペンクラブの理事ならびに平和委員会委員長を務められている。
その日本ペンクラブ平和委員会が4月30日にシンポジウム「戦争と文学」を開催する。神田神保町にある東京堂書店 東京堂ホールで開催されるシンポジウムで、定員100名のシンポジウムである。参加には事前申込が必要で、往復はがき、または電子メールのいずれかでの申し込みが必要になる。定員になり応募次第締め切りになるため、参加は容易でないと思われるが、本ブログ、メルマガにて告知をさせていただく。
本企画のプロデューサーであり、当日のシンポでコーディネーター役を務められる梓澤和幸氏によるイベント紹介を掲載させていただく。
「世界は今、戦雲が垂れこむとき」という言葉が過剰な表現にあたらない不幸なときを迎えている。このようなときに、文学は人間をどのように描いてきたのか、そのことを振り返ることは大切だと思う。日露戦争が起こったとき、ロシアでは、トルストイが激しく皇帝、政治家、軍人をキリスト教精神に悖るものとして非難した。
他方日本でも与謝野晶子が「君死にたまふことなかれ」という詩を書いて、身を挺して戦争に行く弟とまた同様に戦場に送り出される兵士たちに、そして家族たちに命の尊さを訴えた。その心の激しさは「すめらみことは戦ひにおほみずから出でまさね(天皇陛下は戦場へ行かないが、人を殺せと教えしや)」と同じく、国の最高指導者の戦争に赴く気持ちを批判した。
2つの国の文学者たちのこのメッセージは、今、戦争が起こっている最中に発せられたことを思うと、粛然としたるを得ない。
石川達三は、南京大虐殺は行われたときに、虐殺の事実はつぶさに知らされていなかったが、提灯行列にわく人々の姿や、武勇伝と勝利だけを伝える新聞報道に疑問を感じ、「戦争の中で人間はどのように日々を過ごすのか。この日本のありさまは真実ではない。私がこの目で見た本当のことを伝えたい。」として、1937年12月に従軍を希望し、現地に赴き、「生きている兵隊」に残虐な日本兵の行為と中国の大地に広がる略奪を作家の眼で観察し尽くし、それを1938年3月号の中央公論に300枚の小説として寄稿した。
中央公論は、発禁処分となり、中央公論社はやがて廃業に追い込まれた。
戦後この小説はベストセラーとなった。このように文学者たちは真実をその本能で嗅ぎ分け、人々に筆の力で伝えてきた歴史を背負っている。
ならば、この時代に文学は人をどのように描いてマスメディアが決して伝えてはくれないこの世界の本当の出来事を表現すべきなのか。
そのような思いを込めて、私は、日本ペンクラブ主催の「戦争と文学」シンポジウムの準備に参加している。
まだ新聞などには書かれていないので、このイベントを知らない方も多いと思う。
日時は、4月30日(土)午後2時から、会場は東京堂書店の東京堂ホール(東京都千代田区神田神保町1丁目17番地)である。定員は100名と決して多くはなく、このような主旨に関心を深く寄せる方には、お聞き落としのないように、お早めに事前申し込みをお願いしたい。
出演者は、浅田次郎(著書に「終わらざる夏」、「歩兵の本領」、「獅子吼」、「一路」など)、冲方丁(うぶかたとう、著書に「天地明察」、「光圀伝」など)、志茂田景樹「黄色い牙」にて直木賞受賞)、松本侑子(著書に「恋の蛍」、「赤毛のアン」の翻訳など)である。コーディネーターは弁護士の梓澤和幸が務めさせていただきます。
皆さまよろしくお願いいたします。定員になり次第締め切りますのでご了承ください。なお、日本ペンクラブ常務理事の高橋千剣破(たかはしちはや)氏があいさつならびに司会を担当、日本ペンクラブ会長の浅田次郎氏が基調講演を行う。詳細は日本ペンクラブ告知ページをご覧いただきたい。
プレミアイベントであるだけに、申し込み締め切りは早いと思われるので、参加希望者はすぐに対応賜りたい。※続きは4月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1406号「安倍政治の是非問う北海道5区衆院補選」で。
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