第51回昭和会賞に吉武弘樹氏~久留米出身の新鋭画家が受賞
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日動画廊が主催する「第51回 昭和会展」の最高賞にあたる「昭和会賞」に画家・吉武弘樹氏の絵画「未来の計画」が選ばれた。昭和会展とは“未来の巨匠”を選出するため、現・日動画廊社長の長谷川徳七氏が1966年に創設したもの。若手作家の公募展として知られ、これまで数々の巨匠を輩出してきた。吉武氏は、「昭和会賞という歴史ある賞をいただけたのは大変名誉なことです。これまで受賞された歴代の先生方に恥じないような作品をこれからも制作していきたい」とコメントした。
吉武氏は福岡県久留米市出身で、東京藝術大学美術学部絵画科卒の現在33歳。2009年に卒業制作の作品が台東区長賞、平山郁夫賞を受賞し、14年9月に故郷・久留米市で初の個展を開いた。青木繁、坂本繁二郎などの著名画家を生んだ久留米市で、新進気鋭の画家として注目を集めている。
吉武氏は “永遠性”及び“普遍性”を作品のテーマとして制作しており、今回の作品に込めたのは「希望」だ。テーマはアダムとイブの物語から着想を得て、今までの作品とは絵具の素材や技法を新たに変えて挑戦した。
「アダムとイブの物語では二人は楽園から追放されることになっていますが、この絵では裸の男女が希望あふれる新天地に向かって自ら求めて旅立つ様子を描きました」(吉武氏)。今回の作品では、川を隔てた世界へ渡ろうとする未来の計画で、二人の向かう先の世界には明るい緑が広がり、楽園を求めて人間社会を切り拓く姿が表現されている。
東日本大震災から5年後の今年、吉武氏の故郷の隣県の熊本県が大地震により、大きな被害に見舞われた。吉武氏は自分の絵画が一人でも多くの人たちの希望となり、癒しになってほしいと切に願っている。
【矢野 寛之】
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