二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語(26)~現・日本選出国際理事の警鐘

世界的な奉仕団体である『ライオンズクラブ』。その慈善運動は社会的に広く認知されている。ところがライオンズクラブの複数の会員から「福岡地区=337-A地区には問題がある」との情報が入ってきた。本来国際奉仕団体としての活動は名誉栄達ではなく、純粋な社会貢献にある。

ライオンズ国際協会337-A地区元ガバナー
二場安之氏

国際理事は2年任期

 二場氏は「337-A地区」の2022年度のガバナーを務めたが、任期を終えると地区名誉顧問という立場になる。二場氏は顧問会の議長も務め、次に目指したのがライオンズクラブ国際理事であった。

 全世界から34人の国際理事が選出される。立候補には地区ガバナー経験者であること、所属する準地区および複合地区による推薦が必要となる。福岡出身の国際理事経験者は複数いることでも知られる。

 最高執行機関である国際理事会は、国際会長、前会長、3人の副会長、およびすべての国際理事によって構成される。国際大会の代議員投票で半数ずつ改選される。国際理事となると、ローカルな「337-A地区」から一気に全国・世界へと視点が広がる。重要かつ担う責任は重い。

コロナ禍での大学生への食料支援

 今期の日本選出の国際理事は、東北エリアの「332-A地区」出身、田名部智之氏である。25年7月13日から17日に米国フロリダ州・オーランドで開催された第107回国際大会で選出された。大正時代から続く地元建設会社の代表取締役で、青森・八戸ライオンズクラブに所属。(一社)日本ライオンズクラブ理事長などライオンズクラブの多くの役職を歴任してきた。

 青森県は全国で2番目に高い人口減少率で、2025年1月時点の人口は118万5,767人。福岡市の人口よりも少ない。社会インフラや消防、地域医療など生活基盤の維持が課題であり、当然ライオンズクラブの参加者も厳しい状況にあることが推察される。

 そうしたなかで、「332-A地区」のガバナーを務めた田名部氏は、地区の取り組みとして弘前大学の学生に対し、五目御飯やドライカレーなどの食料品約4,000食を無償支援した。経済的に厳しく食費を切り詰めている学生にとって、有難く心強いものだっただろう。

 弘前大学は国立大学である。卒業後、東京など県外に就職する学生も少なくないと思われるが、「332-A地区」の活動を通じて、恩返しとして地元に貢献しようという学生も出てきたのではないだろうか。本来、ライオンズクラブの奉仕の精神とは、こうした草の根の活動にある。

 田名部氏がライオンズ・インターナショナルの日本語版に寄稿した一文は、二場氏をはじめすべてのライオンズメンバーに一読いただきたいものであった。以下に紹介する。

 本年度、理事の互選により(一社)日本ライオンズの理事長を拝命しました。最近、日本のメンバーのなかで、外に優しく内に厳しく振る舞う場面を目にすることが多々あります。「外」というのは主にライオンズによる奉仕の受益者、「内」は国内のメンバー(とくに役職経験者)のことです。本来、奉仕のために使うべき時間や労力を仲間同士の争いに費やし、誹謗(ひぼう)中傷や社会的信用をおとしめる行為、ポスト争い、複合地区・地区の役職への固執に腐心する様は、奉仕団体の会員としてあまりに恥ずかしく、見苦しい姿だと思います。

 ライオンズクラブは多様なメンバーがいる組織なので、考えの違う人や相性の悪い人もいるでしょう。また、活動をしていくうえで、間違いがあったり、力不足なところがあったりもするでしょう。「外」の人に過ちがあっても、我々は快く許すはずです。なぜ同じライオンズの仲間が相手だと許すことができないのか、歩み寄ることができないのかと、不思議に思います。

 まったくその通りではないか。田名部氏の指摘は、現在の「337-A地区」の状況そのものである。醜い権力争いや自身の立場に固執する姿勢は、ライオニズムの精神とは程遠いと言わざるを得ない。

(つづく)

【近藤将勝】

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