ベネッセHD 原田泳幸氏退任~情報漏洩から業績低迷
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ベネッセホールディングス(HD)は11日、原田泳幸会長兼社長が退任することを発表した。就任直後の2014年7月に発覚した顧客情報漏洩事件によって失われた信頼の回復を図ったが、会員数の減少は続き、業績は低迷。その経営責任をとることとなった。
業務委託先元社員が不正に顧客情報を取得し、約3,504万件分の情報を名簿業者3社へ売却していた事件は、同社に大きな打撃を与えた。セキュリティ面の投資に加え、情報漏洩が確認できた顧客に対して500円分の金券を配布。だが手続きの煩雑さなどから、かえって被害者の信頼を失う結果となった。
希望退職者の募集など組織改革を進めたが会員数の減少は続いており、業績に影響をおよぼし始めている。16年4月末の進研ゼミ会員数243万人は、前年同月に比べて28万人少ない(10.5%減)。繰延税金資産を取り崩すことになり、16年3月期の当期利益38億円の予想が、一転82億円の赤字見通しとなった。同社は、15年3月期に100億円超の赤字を計上しており、2期連続の赤字計上となった(数字はいずれも連結)。蓄積してきた内部留保もあり財務面には余裕を残すが、信用失墜のダメージは想定以上だったようだ。
アップルコンピュータや日本マクドナルドで社長を務めるなど輝かしいビジネス人生を歩んできた原田氏だが、不祥事の後始末に翻弄され、期待されていたデジタル対応や海外戦略における実力発揮ができなかった。なお、原田氏の後任の社長には福原賢一副社長(65)が就く。失った信頼を取り戻せるか、今後に注目したい。
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