【名門・筑女の異変】筑紫女学園の子会社が『恩を仇で返す』追い出し行為(中)
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浄土真宗の教えに基づく人間教育を建学の精神に掲げている筑紫女学園で、まさに「恩を仇で返す」という言葉がふさわしい実態が明らかになった。筑紫女学園中学・高校の購買部の経営者が、同法人100%出資の子会社から、事業存続のために法外な金額を求められるという追い出し行為を受けていたのだ。
購買部は福利厚生、収益性よりも安全性
「いくら赤字経営から脱したとはいっても武田さんは、購買部事業を学校の福利厚生の一部と考えており、ギリギリの経営をやってきた」(学校関係者)。利益を求めない経営方針の具体例の1つが販売しているパン。武田氏は安全性を重視し、(株)トランドールの焼きたてパンを取り寄せ、毎朝、1つ1つを購買部で袋詰めする。手間がかかるうえに薄利だが、市販品に見られる食品添加物の悪影響を心配して行っているという。
利益至上主義とは真逆の経営を行いながら、損失を極力抑え、それまで年400万円の赤字だった購買部を再建した武田氏。もちろん、そのためには並々ならぬ努力・奮闘があった。事業を立ち上げたばかりの頃、学校から制服、鞄、靴一式を値下げして欲しいとのリクエストを受けた。学生服は、学校ごとにデザインが異なるという事情があり、スケールメリットは得られず、簡単に値引きができない。
とは言え、安さを求めて、粗末な布地の制服を生徒に着させるわけにはいかない。学校のブランドに傷がつき、入学志願者数に悪影響をおよぼす可能性もある。そこで武田氏が考えたのは、業者には卸だけをやってもらい、購買部が販売を行うという方式。代金回収といった負担(リスク)から業者が解放される分、仕入れ値を安くしてもらう。自ら“川下”に立ち、業者には“川中”の仕事をしてもらうという仕組みだ。
「武田さんは、納得してもらうため、業者一社一社に頭を下げて回った。結果として、新しいやり方で利益は減ったが、未収がなくなり、代金回収の手間が省けるので助かっている」(地場制服販売業者)。流通業で得た経験と、生徒を大切にする想いからきた情熱が、武田氏の購買部事業の原点にあった。
(つづく)
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