ゴルフにおける攻撃と守備
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先月末に糸島市の芥屋ゴルフ倶楽部で行われたRIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメントでインターネット中継の実況&解説を担当しました。12番ホールの全選手のプレーを完全生中継するという新しい試み。ここ数年、いろんな大会でネット中継が取り入れられていますが、まだまだ大きく発展する可能性も秘めており楽しみなメディアです。
さて大会は石川遼選手が制しました。アメリカツアーで痛めた腰は回復しているとはいえ、まだ復帰2戦目。それにもかかわらずブランクを感じさせない勝負強さで2位以下の選手を引き離しての優勝はさすがとしか言いようがありません。トーナメントへの注目も高まり、24歳にしてツアー14勝という実力はもちろんですが、日本ゴルフ界における石川選手の存在の大きさを改めて証明しました。
この大会での石川選手はショットが良いわけではありませんでしたね。むしろ悪かった。しかしショートゲームで抜群のスコアを作りました。3日目のバックナインと最終日のフロントナインのパット数がどちらも11でしたから、どれだけショートゲームで凌いだかが分かります。
僕はよく生徒さんたちにゴルフにおける攻撃と守備について話しをします。ゴルフではドライバーを含めたショットは攻撃であり、アプローチやパターなどのショートゲームは守備であるという考えです。野球でもサッカーでも守備がしっかりしているチームは戦いが安定します。点を取られなければ負けることはないわけですから当然ですよね。野球では打撃は水モノとよく言われますが、ゴルフも同じ。いつも完璧なショットが打てるわけではありません。しかし守備であるショートゲームが安定していれば大崩れすることは少なくなります。
いつも70台でラウンドするローハンディのゴルファーたちはこのショートゲームでショットの波をカバーしているのです。ですからショットが良いときは好スコア、悪い時は大叩きというスコアが安定しないゴルファーはもっと自分の守備力=ショートゲームを磨く必要があります。
僕はホークス戦の実況もしているのでプロ野球選手と話す機会が多々ありますが、守備は練習すればするほど上達すると言われています。ゴルフも同じことが言えます。ショートゲームは練習すればするほど上手くなるし結果もすぐに現れます。300ヤードのドライバーを打つことは肉体的に無理だとしても、10ヤードからのアプローチをピンそばに寄せることは練習次第で誰にでも可能です。
まず野球選手が自分の身体の近くに来たゴロを確実にさばくように、グリーンエッジから5ヤード以内のアプローチは必ずワンピン以内に寄せられるようになりましょう。ショートゲームに自信がつけばセカンドショットにかかるプレッシャーが激減します。プレッシャーが少なくなるといつも通りに身体が動きやすくなるのでナイスショットが増える可能性もあります。ショートゲームが上達してさらに守備範囲(アプローチで寄せられる距離)が広くなればスコアは劇的に変わりますよ。
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信川 竜太 (のぶかわ りゅうた)
1971年3月27日生まれ。(株)スリーバーズ代表取締役。スポーツキャスター、DJ、MC、リポーターとしてスポーツを中心にテレビ、ラジオなどで活躍中。その一方で、ゴルフコーチとしても活動している。信川氏がゴルフの道を志したのは福大大濠高校1学年時。卒業後、フロリダ州ブロワードジュニアカレッジに入学(のち、フロリダ・リン ユニバーシティーに編入)。在学中、トーナメントでタイガー・ウッズの上位に入る結果を残した。2006年1月に(社)日本プロゴルフ協会 PGAゴルフティーチングプロの資格を取得。10年10月、福岡市東区多の津にスポーツ塾を開講した。関連キーワード
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