東ヨーロッパには何があるのだろう(31・終)
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オンカロ
核廃棄物の最終処理場で有名な「オンカロ」は、この国の南西部オルキルオト島にある。地下500m以下、100年にわたって核廃棄物を保管し、今後の核廃棄物の処理技術の進化を待つという施設。だが、プルトニウムの半減期は2万4,000年。人体に影響がなくなるまでは10万年の年月が必要だという。
数億年以上、大きな地殻変動がなかったというこの地域だが、それでも地下水の問題で、その安全性に疑問が出ているという。もちろん、我が日本列島にはそんな安定地殻はない。そのオンカロだが、他国の廃棄物を受け入れる予定はないという。フィンランドの発電事情
木材産業の廃材ペレットなどは別として、バルト三国同様、ここには泥炭ぐらいしかエネルギー資源がない。工業の発展とともにエネルギー需要は増加し、今や原発への依存度は30%近くに達している。経済優先か、安全優先か――。安全への対策は、今のところ“後進の処理技術の進歩”に委ねるしかない。はなはだ心もとないが、多数決で考えれば、経済優先が鮮明になる。
故郷に戻れないウクライナのチェルノブイリや福島楢葉町の住民は超少数派だ。だが、多数派が常に正しいとは限らないのが、悩ましいところでもある。
原発全廃を決めたドイツも、原発で発電した電気をフランスから買っている。何ということはない。これではまるで“朝三暮四”ではないか。ナハダーン!(また、会いましょう!)ムーミン
ヴァンダー空港では、やって来た日と同じ暑い空の下で、もっと暑い国に飛ぶフィンエアーのエアバスA330が待っている。帰りは文字通り、飛んで帰る。飛行時間は往路より1時間も短い。
(了)
<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を経て、現在は流通アナリスト。関連記事
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