カンボジア視察レポート(1)~深夜にシェムリアップ到着
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データ・マックスは9月8日から12日にかけて、恒例のカンボジア視察ツアーを行った。今回の主な目的は、社をあげて支援してきたトゥールポンロー中学校(バンテイメンチェイ州)の卒業生たちへの卒業証書授与。成長を続ける同国の現状を、実際に見聞きする良い機会でもあった。
カンボジアは93年に政治が安定した後、年次ベースの経済成長率は常にプラスで推移しており、2015年、16年と7%超の成長率が継続する見通しだ。また、人口の面においても、隣国のタイは2040年から人口が減少する試算なのに対し、カンボジアは2080年まで人口増が続く見込みとなっている。
そうした経済成長と人口増加の勢いで活気に満ちるカンボジアだが、地雷問題、不十分な教育環境など現在進行形で取り組むべき課題が山積している。現地での体験から見えてきたものをレポートする。シェムリアップ到着
今回のツアーの最大の目的地、トゥールポンロー中学校のあるバンテイメンチェイ州はカンボジア北部、アンコール遺跡群でよく知られるシェムリアップ州に隣接する。
今年9月から成田~プノンペン線が新規就航したが、現在福岡からカンボジアへ向かう直行便はない。福岡空港から韓国のインチョン国際空港で乗り継ぎ、シェムリアップ空港で降りる旅程となった。
乗り継ぎを含め約12時間の移動を経て、ようやくシェムリアップ空港にたどり着き、タラップでカンボジアの地に降りる。真夜中。晴れ。日本とそう変わらない温度、湿度だと感じた(昼間はまったく違ってくるのだが……)。
インフラ整備進み風景も一変?
シェムリアップ空港から、ツアー用のチャーター車でホテルまで向かう。現地時間で夜11時過ぎ。日本とは2時間の時差がある。すでに就寝時間を迎えていたが、初めてカンボジアを訪れたことに興奮していた。
空港からホテルのあるシェムリアップ中心部まで、文字通り真っ直ぐに引かれた道路を走る。カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)の大谷賢二氏が初めて訪れた頃は、今のように道は整備されていなかったという。真っ直ぐ伸びる道路の両側には高級ホテルが立ち並ぶ。
等間隔に街灯が立っているが、明かりはそれのみ。視界は暗く、度々目を凝らして風景を見なければならなかった。かつては、街灯もなかったのだという。
道路はアスファルトで整備されており、基本的に片側1車線。カンボジアは左ハンドルの右側通行だ。チャーター車のドライバーはせっかちなのか我々に気をつかってくれているのか、頻繁に反対車線に移り、前を走る車を追い抜いた。広い道路では、車が走る車線の外側にトゥクトゥクやスクーターが走る車線があった。店の明かりが見えはじめると、風景が賑わいだす。中心街だ。車は右左折を繰り返したが、一度も止まることなくホテルに着いた。後に、今回ガイドとして案内していただいたシボーンさんに尋ねたところ、シェムリアップは道路をはじめとしたインフラ整備が進んだが、信号機は街中に5台しかないのだという。もちろん車のほか、大量のスクーターやトゥクトゥクが街なかを走りまわっており交通量はそれなりに多い。交差点は信号機ではなく、西洋式ラウンドバウトのロータリーが主だった。フランスによる保護下にあった時代の名残だろう。
ホテルに到着したのは日付の変わる直前頃。夕食もまだだったため、部屋に荷物を置いて外に出た。今回宿泊したホテル「タ・プロームホテル」の目の前には、民芸品など観光客向けの土産を揃える「ナイト・マーケット」があり、ほんの少し歩けば飲食店が道の両側にずらりと並ぶ「パブ・ストリート」がある。もちろん、向かう先は「パブ・ストリート」である。
(つづく)
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