邦画大手2社、共に業績上向き
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東宝(株)(本社:東京都千代田、島谷熊成代表)、松竹(株)(本社:東京都中央区、迫本淳一代表)が発表した業績予想の修正を見ると、映画興行事業の好調ぶりがうかがえる。
東宝の2017年2月期第2四半期業績(連結)の結果は、営業収入1,149億8,300万円、経常利益は250億4,800万円となり、それぞれ業績予想より8,300万円の増収、4,800万円の増益となった。
松竹の2017年2月期第2四半期業績(連結)は、売上高478億1,000万円、経常利益37億1,000万円の業績予想に対し、売上高478億1,900万円、経常利益37億1,400万円で、概ね予想通りの結果となった。東宝は、増収増益の要因として自社製作配給作品の好調ぶりを挙げる。「シン・ゴジラ」、「君の名は。」のメガヒット、及びそのことに起因する各劇場(TOHOシネマズ)の高稼働を要因としている。両作品とも既に世界配給も決定しており、今後どこまで配給収入を上積みできるかにも注目が集まる。
松竹では映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の想定を超える興行成績、ならびに演劇事業における歌舞伎座の盛況ぶりが、業績予想を上回る結果の要因としている。同社が配給を手がけ、10月1日から公開開始となったドキュメンタリー映画「築地ワンダーランド」も、移転問題で揺れる旬の場所が舞台の作品ということもあり、相応の集客が見込めるのではないだろうか。業績向上の一助となるか、期待が高まる。両社とも本業の映画製作・配給・興行活動が業績を牽引。日本を代表する映画会社としての矜持を見せた。予想通りの収益を得た後に、両社がどのような形で還元していくのかに注目が集まる。東宝は昨年から今年にかけて3劇場を新たにオープンさせた。劇場新設・既存劇場のサービス充実(IMAX3D・4DX導入など)といった、さらなる設備投資の可能性は高い。松竹は、今年8月にグループ会社の松竹ブロードキャスティング(株)が日活(株)と有料多チャンネル放送事業分野における戦略的業務提携について合意した。多分野での他社との協力体制の構築が、今後さらに加速していくのかもしれない。
【代 源太朗】
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