九州旅客鉄道(JR九州:福岡市)が今日25日、東京証券取引所1部に上場。初値は3,100円と売り出し価格の2,600円を大きく上回った。途中利食い売りの局面も見られたが、初日の終値は2,990円。時価総額は4,784億円となり、今年の新規上場では、7月15日に無料通話アプリのLINE(東京)の時価総額1兆円超に次ぐ規模となった。
JR九州の株式は、国所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が100%保有していたが、上場により全株式を売却。売却益は旧国鉄職員の年金財源に充当される。
JRで最初に上場したのは東日本(1993年)、次が西日本(1996年)で、翌年に東海。JR九州は4社目となる。赤字の鉄道事業を継承した九州、北海道、四国の「3島会社」では初の上場を果たしたJR九州ではあるが、今後の課題も多く残されている。
10年前の九州の人口は13,203千人だったが、2015年10月の国勢調査では13,020千人に減少しており、地域経済の縮小や高齢化が進んでいることから今後はさらに加速すると見られている。JR九州は先に上場したJR各社とは違って、経営基盤の弱さは否めないからだ。
そのため他のJR各社より株主優待を充実させてはいるものの、株式の長期保有を促すためには、鉄道事業だけではなく、沿線都市の開発や中心市街地のビル建設など不動産事業にも積極的に投資して、経営基盤の充実を図っていくことが求められているのではないだろうか。
【北山 譲】
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