2024年12月04日( 水 )

久留米市芸術奨励賞に吉武弘樹氏が選出

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吉武弘樹氏作「The world is my play ground」<

吉武弘樹氏作
「The world is my play ground」

 久留米市は11月3日、将来性のある若手芸術家に贈る2016年度久留米市芸術奨励賞に久留米市出身の洋画家・吉武弘樹氏らを選出した。吉武氏は東京藝術大学卒の洋画家で、地元・久留米の自然をモチーフとした作品を多く手掛けている。

 吉武氏は今年4月、自身の作品「未来の計画」が未来の巨匠に贈られる昭和会賞(日動画廊)を受賞したことで知られる。近年、青木繁記念大賞西日本美術展で特別賞を受賞したほか、数多くのコンテストにおいて表彰される期待の新鋭画家の一人として知られている。なお、吉武氏は研究・研修活動補助対象者に選ばれ、上限40万円の補助金が提供される。

 吉武氏は近年、観光旅行で出会った光景の影響で、自らの作風に変化があったとのこと。海外で日本の陶芸や絵画などを目の当たりにし、自らのフィールドである西洋絵画に日本美術を取り入れた作風の絵も描き始めた。その作品が、「The world is my play ground」。日本の陶器の色である藍色をモチーフに琳派、浮世絵、葛飾北斎といった作品で度々登場する波やタコを交えた作品となっている。1枚のキャンバスにそれを表現するのは難しいことだが、吉武氏は現状に甘んじることなく、常に新しい分野にチャレンジしている。

 4年後の2020年に東京五輪が開催され、日本は世界中から注目されている。スポーツだけではなく、文化・芸術へも一層注目が高まるのは間違いない。吉武氏の今後の活躍に期待したい。

【矢野 寛之】

 

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