トランプ大統領から学ぶ健康長寿法
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浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス
NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、1月20日付の記事を紹介する。
多くの人々は高齢の域に達すれば、誰もが記憶力の低下や、筋肉の衰えに悩まされることになると思いこんでいる。周りの状況や常識的な判断に左右され、自らの肉体や意識の現状は言うに及ばず、秘めた可能性について徹底的に試してみることを諦めているケースが多い。できない可能性にとらわれ、できる可能性を無駄にしているのではないか。
そのような観点からランガー教授は1979年に興味深い実験を行った。ニューハンプシャー州にある老人ホームに入所している高齢者を2つのグループに分けて行った実験である。1つのグループには自分たちが若かった頃の思い出話に花を咲かせるように促した。もう1つのグループには自分たちが若かった頃と全く同じような環境の下で過去を追体験することを促したのである。
後者のグループに対しては、ちょうど20年前の1959年にタイムスリップしたかのような生活環境が用意された。すなわち老人ホームのなかで見る映画やテレビ番組、あるいは耳にする音楽、そして目にする雑誌などもすべて1959年当時のものにし、それらをあたかも今現在起こっていることのように皆で話題にすることを求めたのである。
たとえば1959年にはアメリカ初の宇宙船が打ち上げられ、大きな話題となった。そこで今、目の前で初の宇宙船の打ち上げが行われたことにし、その感激や感動を皆で共有したのである。このような非日常的な生活を1週間体験した後、2つのグループの聴力、視力や記憶力についてテストを行ったところ、後者のグループは前者のグループと比べ遙かに好成績を収めたというではないか。それどころか後者のグループにおいては関節の痛みが減少したと実感する人々や、記憶力が目覚ましく改善したと大喜びする人達が続出した。
そして実験の前と後に撮影された被験者たちの顔写真を外部の第3者に見てもらったところ、明らかに後者のグループの人々は見た目が若々しくなっていたのである。また、老人特有の指が思うように動かないような症状が改善し、関節が元に戻るほど指も長くなったらしい。
このことをランガー教授は「マインドフルネスの効果」と名付けた。すなわち日常的な繰り返しやつまらない作業と思いこんでいたことでも、それが意外に自分の健康にとって不可欠の作用をもたらすということに気付けば、意識と体が調和し肉体の問題を改善するきっかけになったのである。
たとえ小さな変化であったとしても、自らがその変化を楽しむことができるようになれば、我々の置かれている環境が劇的に変化をすることを示唆している。我々はどのようなものにせよ自分の肉体の変化の兆しに気づくだけの「マインドフルネス」を持つことができれば、病気や怪我を未然に防ぐことが意識的に可能になるというわけだ。こうした発想が広がれば、社会が活性化することは間違いない。
※続きは1月20日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第50回「トランプ次期大統領から学ぶ健康長寿法:アンチ・エイジングからリバース・エイジングへの発転転換(後編)」で。
著者:浜田和幸
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