元「鉄人」衣笠氏が斬る！～セ・リーグの覇権を握る球団とは（前）

　本稿では、DeNA、ヤクルト、中日、阪神について見ていこう。

　今年の優勝候補を挙げるとしたら、今の段階では昨年の覇者広島とDeNAが考えられるだろう。決して強い！というのではなくバランスが取れていると見るからだ。

DeNAベイスターズ

　投手陣を見てみると、先発候補は井納投手、今永投手、石田投手。ここまでは計算できる投手だが、ここから少し考えなくてはならない。ベテラン久保投手、三嶋投手、砂田投手、熊原投手、そして、新外国人投手の3人では、クライン投手はどちらで使うのか？　リリーフか？　先発か？　オープン戦での投球内容を見たい。次がパットン投手だが、これは先発向きだろう。そしてウィーランド投手の争いになるが、この中から二人の投手を使うことになるだろう。
　外国人枠の使い方は、投手を2人、野手2人ということで落ち着きそうだ。日本人投手の頑張りがなくてはダメである。
　問題となるのが中継ぎ投手である。昨年は大変にいい働きをしてくれてお陰でチームはプレーオフに出られたと思っているのだが、はたして今年もその働きができるか？
　小林投手、加賀投手、須田投手、三上投手、左の大原投手、田中投手、昨年は大変にいい働きをしてくれた中継ぎ投手陣。今年はどうか？　彼らの出来がチームの鍵を握っている。
　抑えの山崎投手は今日は少し力任せに投げていたようだが、とにかく元気なんだろう。

　さあ～問題の捕手を考えるところだが、今年もラミレス監督は戸柱捕手で行くように思う。昨年124試合の経験は捨てがたい。このまま固定できるとチームは助かるだろう。
　内野手は一塁がロペス選手で決まり、遊撃が昨年141試合出場して.294の数字を残した倉本選手、ここまでは決まっているが、2塁手がまだ決め手がない。本来は石川選手だが、昨年の怪我がどうかな？　という状態で、ヤクルトで活躍した田中選手を獲得。エリアン選手もいて、宮崎選手の3塁との兼ね合いで決まるのかな？　その3塁だが今のところ新外国人選手のシリアゴ選手が頑張っている。
　外野手は左翼に筒香選手、右翼に梶谷選手、中堅に昨年133試合頑張って.284の数字を残した桑原選手で決まるだろう。ラミレス監督も今年のメンバーをどう使うか？　故障者が出る体質をどう直すのか？　投手、野手ともにここに注意だろう。

ヤクルトスワローズ

　故障という字を見るとすぐに思い出すのが、昨年も故障で失敗したヤクルトだろう。前年度優勝したにもかかわらず、次の年に主力の故障で頑張れなかった点は大いに反省してほしい。何よりファンがガッカリしてしまっただろう。
　さて今年は？　早々に川端選手が腰に痛みを訴えて離脱、不安なキャンプ情報だが聞いてみると意外と早く復帰できるということだ。はたしていつ頃かな？　この選手はチームにとって使い応えがある選手だけに、早い復帰が望まれる。
　後は1番に坂口選手、中堅に入ってくれると思う。2番には西浦選手が川端選手復帰まで頑張ってくれるか？　3塁を守ることになる。そして3番に山田選手が入り、セカンド。４番にはバレンティン選手が頑張るのか？　新外国人選手グリーン選手が慣れてきたら４番かな？　５番はこの繰り返しになるだろう。１塁を守ると思うが、６番に右翼を守る雄平選手が座りそうである。そして遊撃にはかなり鍛えられていた若い広岡選手が入るのか、ベテラン大引選手でいくのか？　ここは広岡選手次第だろう。打順は７番。８番に捕手の中村選手が入り、このメンバーがいつまで維持できるか？　川端選手の治療がどの方法をとり、復帰時期がいつになるのか？　ここによりまた変わるでしょう。荒木選手、畠山選手、上田選手、比屋根選手というところがサポート役になりそうだが、捕手も西田選手、井野選手を入れて３人制で行くか、２人で行くか？　中村選手次第かな？

　そして、先発投手である。
　石川投手、館山投手、小川投手に山中投手、ここまでは頑張ってもらわなければ困る。そして、原樹投手、新外国人投手から誰が出てくるのか？　近藤投手、村中投手、岩橋投手、平井投手がどのようにゲームを作るか？　抑えを任されるはずの秋吉投手がWBCから帰ってくると完成だろう。新人投手では寺島投手を見るのを楽しみにしていたのだが、少し故障気味ということで見られなかったのが残念かな？　でも星投手はなかなか期待が持てる投手という感触を得たから、まずまずかな。

2017年3月2日
衣笠　祥雄