屋台公募問題が行政訴訟へ、弁護団が福岡市役所で証拠保全手続
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混乱のなかで再選考
福岡地裁は10日、福岡市の屋台公募に関して、屋台営業者による申立を受けて証拠保全を決定。きょう(14日)、裁判官と屋台営業者の弁護団が、福岡市役所を訪れ、屋台公募の担当である経済観光文化局にぎわい振興課で証拠保全手続を行った。一方、市は同日、選定委員の情報漏えい問題で合格取消となった応募者6人の枠で再選考を実施。応募した18人が筆記試験を受けた。
屋台公募については、選定委員による情報漏えいのほか、不透明な選定プロセスが、公募に関わった屋台営業者や市民の不信感につながっている。また、「名義貸し」とされた屋台が営業する赤坂地区や祇園地区が、初めから募集エリアから外されているなど、募集内容の公平性に疑問が残る。屋台営業者の代理人弁護士は取材に対し、「今回、押さえた資料をしっかり検証し、訴状に反映させたい」とコメント。近日中に提訴するよう準備を進めているという。
今なお、混乱が続く屋台公募問題。選定に合格し、準備を進めている屋台営業者は、「書類審査の不正問題について選定委員会が検証していた頃は、準備をストップするように市から言われた。しかし今では、マスコミの取材が集中するであろう4月1日にオープンするように言われている。そんなに簡単な話ではない」と困惑する。また、書類審査に落選し、3月末での営業許可取り消し(廃業)が決まった屋台営業者からは、「屋台本体の解体や処分にもお金がかかるが、廃業に関する市の対応は一切ない。強制的な立ち退きに近いと思う」と不満を漏らす。
屋台営業に関する理解不足があらためて露呈している高島市政。4月1日、屋台の一斉新スタートで、これまでの疑惑を払拭したいという考えが透けて見える。しかし、廃業になる屋台のファンも含めて、犠牲になった人々の怨嗟の声が決して消えることはない。
【山下 康太】
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