福岡市屋台問題、廃業の屋台にムチを打つ高島市政
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廃業した屋台に営業内容の是正を要求
福岡市が実施した屋台公募で落選したことで廃業になった屋台営業者に対し、同市中央区役所が4月12日付で違反行為の是正を求め、指導書を送付していたことがわかった。この屋台は、許可が取り消された翌日の4月1日以降、営業を行っていない。
違反行為とされた内容は、屋台基本条例施行規則第7条で定められた、間口3m以内(歩道の縦断方向)、奥行2.5m以内(歩道の横断方向)というもの。市は、この屋台が営業許可を取り消される3月31日の午後8時ごろ、立ち入り調査を行った(参照:記事「廃業する屋台に立ち入り調査、高島市政の『市民いじめ』」)。当日、別れを惜しむ常連客らが多数訪れており、入りきれないことを見越して折り畳み椅子などを持参する客もいた。指摘された屋台外に設置されたテーブルは、歩行者の妨げにならないよう、奥行2.5mの範囲におさまるよう併設。常連客などからの差し入れやプレゼントなどの置き場としても利用されていた。
廃業する屋台のあった赤坂地区は、公募の募集エリアから外されており、屋台営業者の公募の結果に関わらず、同地区から屋台がなくなることが決まっていた。同地区の住民からは、「夜間、自宅へ帰宅する女性が不審者につけられ、屋台に助けを求める事案もあった。市民の憩いの場としてだけではなく、地域の防犯上の観点からも屋台は必要」という指摘がなされている。
屋台営業者の生計を奪い、赤坂地区から屋台を奪った高島市政。立ち入り調査は、市長指示(屋台基本条例第34条1項)で行われる。市民の楽しみを奪っておきながら、『情け』という言葉を知らない、冷酷ともいえる政治姿勢が浮き彫りになった。情報漏えいなどの不正問題をはじめとする屋台公募への疑問のなかには、公表されていた屋台営業者の屋台基本条例条例(同実施規則)の遵守状況が、今回の公募に反映されなかったことへの疑問や不満もある。
廃業後に送付された『警告』は、担当職員から「今後、屋台営業をする見込みがない場合であっても、条例の定めに基づいて、指導書(警告書)をお渡しすることになっておりますので、ご査収ください」と書かれた付箋紙が添えられていた。配達証明で送られた指導書の郵送料は702円。廃業する屋台へのムチ打ち行為に税金が費消されたことも付け加えておく。
なお、屋台基本条例は附則11項で、2013年9月の施行から5年後に、施行状況から、条例の規定に関する検討および改正などの措置を行うよう定めている。公募をはじめ問題が続出している以上、改正するべき点は多々あるように思われるが、はたして、非情な高島市政にその意思はあるだろうか。
【山下 康太】
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