打倒ピザクック！ ドミノ・ピザが福岡進出強化を狙い「ダメ出し」を募集中（前）

　宅配ピザが日本に登場したのは、1985年。東京・恵比寿に登場したドミノ・ピザ1号店からだ。以来30年、電話一本で焼き立てのピザを届けてくれる宅配ピザは、日本の食文化を大きく変えた。この宅配ピザビジネスに先鞭をつけたドミノ・ピザが、福岡では苦戦を続けている。そこで打ち出した新キャンペーンが「愛のダメ出しクーポン」。はたしてどんな「ダメ出し」を求めているのか、（株）ドミノ・ピザジャパン営業部第五営業課スーパーバイザー（福岡地区担当）古川直人氏にお話をうかがった。

「元祖宅配ピザ」に立ちはだかる福岡の雄・ピザクック

　――今回行われる「福岡地区限定ドミノ・ピザ 愛のダメ出しクーポン」というサービスですが、これはどのようなキャンペーンなのでしょうか。

　古川直人スーパーバイザー（以下、古川）　4月24日から5月14日までの期間限定で行うキャンペーンです。ドミノ・ピザに対する要望や不満、ダメ出しを書いていただき、配達スタッフにお渡しいただくと、Lサイズのピザが全品半額になるクーポンです。このクーポンは、福岡県内と山口県下関市のドミノ・ピザが対象で、4月21日（金）売りの西日本新聞と読売新聞の広告で配布し、各店舗にも同クーポンが置かれます。

　また、同時に他社の宅配ピザのチラシを配達スタッフにお渡しいただくと、ご注文いただいた商品が500円割引になるキャンペーンも実施します。

　この2つのキャンペーンを、「ドミノのド反省。」と銘打って行います。皆さまの「愛のダメ出し」をお待ちしています。

　――Lサイズピザが全品半額というと、なかなか思い切った施策ですね。それだけ危機感があるということでしょうか。しかし、ドミノ・ピザといえば日本の宅配ピザ業界の草分け。首都圏では他の大手ピザチェーン店と互角以上に勢力争いをしている印象ですが、どうも福岡では存在感が薄いですね。

　古川　そうですね（苦笑）。

　――というのも、福岡には地場に根付いた有力な宅配ピザチェーンがあります。テレビや新聞でもたくさん宣伝しており、なにしろ福岡ソフトバンクホークスの選手をCMに起用している、あの……。

　古川　はい、ピザクックさんです。福岡では先発にあたりまして、なかなかそこに割り込めていないのが現状です。私は昨年東京から転勤してきましたが、ピザクックさんがここまで大きな存在だとは実感できていませんでした。弊社のスタッフに「ピザと言えば？」と聞いてみたことがあるんですが、ほとんどのスタッフが「ピザクック」と答えました。こちらで知り合った方々に聞いてみても、返事は同じ。感覚的には9割以上ですね。それほど、福岡におけるピザクックさんの存在感は強力です。

　――それは厳しいですね……。そこで「ドミノのド反省。」ですか。確かに、首都圏と比べると、ドミノ・ピザの店舗や配達のスクーターを見かける機会は少ないように感じます。

　古川　福岡に出店してから、今年で20年なんですよ。1つの節目として、改めて今回のキャンペーンを打ち、再度福岡と九州での普及を目指そうと考えています。現在、福岡圏内に16店舗。九州と山口地区全体で22店舗ありますが、人口や広さを考えると確かに少ないのも事実です。市場調査をしていくと、やはりピザクックさんにはおよばない。もっとも強力なライバルチェーンですね。このキャンペーンを通じて、我々ドミノ・ピザはどこがよくないのか。なぜピザクックさんに勝てないのかを、福岡の皆さんに率直に聞いてみたいと思っています。

「ピザクックさんの牙城を崩したい」と語る古川直人氏

ドミノ・ピザ 博多駅南5丁目店

　――キャンペーンでもありますが、本当に市場調査のような面もあるんですね。

　古川　はい。それを真摯に聞いてスタッフ全員で共有して、よりよく改善していきたいと考えております。これまでもさまざまな割引キャンペーンや、首都圏や世界中のドミノ・ピザで成功してきた施策も投入してきました。しかし、それもなかなか実を結ばない。そこで改めて、福岡の皆さんのご意見をいただきたいと考えました。
　これまでも福岡を重点的に強化しようとさまざまなチャレンジをしてきましたが、やはり単純な割引では効果を発揮しない。今回「愛のダメ出し」と「ドミノのド反省。」というキーワードを使っていますが、それだけドミノ・ピザは深く反省して再チャレンジをしよう、という姿勢で改善点をいただければな、と思っております。

（つづく）
【文・構成：深水　央】

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