2024年11月24日( 日 )

刑訴法改悪+共謀罪創設=新治安維持法

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、日本の警察・検察と司法制度のゆがみと、それを悪用する自民党や支配勢力の狙いについて触れた5月10日付の記事を紹介する。


私はかねてより、日本の警察、検察、裁判所制度には三つの重大な欠陥があると指摘してきた。
第一は、検察、警察に不当に巨大な裁量権が付与されていること
第二は、基本的人権が尊重されていないこと
第三は、裁判所が人事権を通じて行政権力の支配下に置かれていること
である。

不当に巨大な裁量権とは、犯罪が存在しないのに犯罪をねつ造して市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権と犯罪が存在するのにその犯罪者を無罪放免にする裁量権のことである。

これを警察・検察権力と言う。
この巨大な裁量権こそ、検察・警察の巨大な天下り利権の源泉である。そして、重要なことは、この裁量権が政治的目的で多用されていることだ。政治的な敵対者に対しては、犯罪をねつ造して犯罪者に仕立て上げることが行われる。

他方、政治的な友好者に対しては、犯罪が存在しても無罪放免にする、あるいは、不当に緩い措置を講じる。
これが日本の検察・警察権力の実態である。

この検察・警察権力と完全に癒着しているのがマスメディア=マスゴミであり、政治権力はメディアを動員して人物破壊工作や友好者の犯罪もみ消しを実行する。

御用記者代表の山口敬之氏のスキャンダル記事が週刊新潮で報じられた。最大の不自然は、インターネット上の主要なニュースサイトからこの情報が排除されていることである。安倍政権はインターネット上の情報に対しても強い統制を働かせている。
ある問題が大事案に発展するか、闇に葬られるかは、メディアの扱いによって決まる。
2006年12月18日、朝日新聞は重大事実をスクープ報道した。
03年5月にりそな銀行が公的資金によって救済された。旧経営陣が排除されて小泉竹中政権の近縁者が経営中枢に送り込まれた。りそな銀行が破綻する必然性はなかったが、りそな銀行のトップが小泉竹中政治を批判していたために、りそな銀行は人為的に自己資本不足とされたと判断できる。

りそな銀行が自己資本不足であることを主張する論理に則れば、りそな銀行は破たん処理されなければならなかったが、この点も歪めた措置が採られた。りそな銀行は破たん処理されず、公的資金で救済された。
経営陣だけが入れ替えられたのである。実質的にりそな銀行の「乗っ取り」であったと言ってよいだろう。

そのりそな銀行が自民党に対する融資を激増させた。
他の大手銀行の対自民党融資が減少するなかで、りそな銀行の対自民党融資だけが激増した。03年5月のりそな銀行乗っ取り以降、りそな銀行は自民党の「機関銀行」と化したのである。

朝日新聞はこのことをスクープした。1面トップでの大報道だった。ところが、この重大事実はそのまま闇に葬られた。他のメディアが一切この問題をフォローしなかったのである。

闇に葬られたのはニュースだけではなかった。
スクープ記事を執筆したと見られる記者が、スクープ記事が公表される前日に水死体で発見されたと伝えられているのである。
りそな銀行問題では、りそな銀行は自己資本不足に陥ってはいないと主張したと見られる担当監査法人の会計士も、謎の転落死に見舞われている。

このような現実が日本には存在する。

※続きは5月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1738号「刑訴法改悪+共謀罪創設=新治安維持法」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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