U20W杯、注目すべきは冨安健洋~アビスパ福岡
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5月20日に開幕した、サッカーU20ワールドカップ。テレビのニュース番組では、15歳ながら「飛び級」で代表チーム入りを果たした、FW久保建英の活躍でもちきりだ。たしかに久保は話題性にあふれている。かつてFCバルセロナの育成組織に所属し、帰国後所属したFC東京ではJリーグ最年少出場記録を更新。今大会も初戦・南アフリカ戦で途中出場を果たすと、ペナルティエリア内からの正確な折り返しで勝ち越しゴールを演出するなど、素晴らしいセンスを見せた。
しかし、サッカーの玄人が注目したのは、U20代表チームの最終ラインを率いるアビスパ福岡所属の18歳、DF冨安健洋の活躍だろう。たしかにシュートブロックに入った足がボールに当たり、不運なオウンゴールを招きこそしたが、その後は冷静に体を張ってゴールを死守。スライディングでボールを掻き出すなど、代表の内山篤監督が「苦しい時間のMVP」と絶賛したのもうなずける。
冨安はアビスパのアカデミー出身。九州産業大学付属九州高校2年次、17歳にしてアビスパのトップチームでデビューし、2016年シーズンは16試合に出場。今シーズンもCBのレギュラーとしてアビスパのゴールを守っている。特長は、何よりもその落ち着いたプレイぶり。チームメイトやサポーターからは、冗談めかして「若さがない」と言われることもあるが、それだけ慌てることの少ない安定したプレイを90分続けられるということを意味している。また188cm78kgの恵まれた体躯を持ち、「届かないと思ったところにすっと足が伸びてくる」とCBとしてコンビを組むDF岩下敬輔も絶賛する身体能力も兼ね備えている。
ポジションも最後列のCBだけでなく、一列前のボランチでもプレイ可能。DFながらJ2第4節ロアッソ熊本戦ではゴールを奪い、高いサッカーセンスを証明している。
最前線の若きスターFWに注目するのももちろん結構だが、最後尾からチームを支える福岡生え抜きの強力DF、冨安健洋のプレイにも注目してみてはどうだろうか。
【深水 央】
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