2024年12月22日( 日 )

減収減益の筑銀は債権放棄している場合ではない?!

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 筑邦銀行が先日発表した2017年3月期の連結決算によると、経常収益が179億3,400万円となり前年対比で▲3.1%となった。経常利益は15億4,500万円で同比▲45.9%、当期純利益は9億8,600万円で同比▲47.8%の減収減益となった。売上高にあたる経常収益が減収となったのは、貸出金利回りの低下による貸出金利息の減少などが原因。経常利益は、営業経費や不良債権処理費用が増加したことなどから減益となった。

 昨年、同行は久留米商工会議所の本村康人会頭が所属していた(株)本村商店に対する債権を放棄したことで話題となったが、決算状況からみても債権放棄をする余裕などなかったはず。同じ地銀でも長崎の十八銀行は前年対比で3.5%の増収、経常利益は同比▲32.9%を余儀なくされたものの、経常利益率は14.8%だった。ちなみに筑銀は経常利益率で8.6%にとどまる。もはや「債権放棄をしなければよかったのではないか?」という声が噴出してもおかしくはない状況だ。同行は、まずは本村商店に対する債権を徹底的に回収するべきではなかろうか?そうすれば同行と取引する中小企業経営者から拍手喝采が送られることだろう。

【矢野 寛之】

 

関連キーワード

関連記事