アビスパ福岡、後半戦は黒星スタート 福岡0-2金沢
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アビスパ福岡は8日、ホームにツエーゲン金沢を迎えてJ2第22節を戦った。7月5日からの筑後・大分豪雨被害者へ向けて、試合前には両チームの選手による黙とうが行われ、スタジアムには募金箱が置かれた。また、金沢サポーター、福岡サポーター双方から大雨被害へのお見舞いの気持ちを表す横断幕が掲げられていた。
前半戦を首位で終えたアビスパ。下位に沈む金沢を叩いて幸先よく後半戦スタート、と意気込んだサポーターも多かっただろうが、試合は意外な経過をたどった。
選手個人の能力で上回るアビスパがサイドからの連携で金沢DF陣を崩し、中央のウェリントンにボールを送り込むシーンが何度も見られた前半。福岡がゴールネットを揺らすのも時間の問題だと思われていたが、スコアを動かしたのは金沢のほうだった。
開始から20分。左サイド深く、ペナルティエリアのサイドライン側から放たれたFW杉浦恭平のフリーキックは、低い弾道を描いて両チームの選手たちの足元をすり抜け、GK兼田亜季重の逆を突いてゴール。先制は金沢だった。
追いつこうと攻撃を加速させたアビスパだが、決定機を迎えたのはまたしても金沢FW杉浦恭平だった。84分、FW佐藤洸一がさばいたボールを左サイドで受けた杉浦は、ペナルティエリアにドリブルで侵入。福岡DF冨安健洋のスライディングを冷静にかわすと、最後はGK兼田亜季重の動きをよく見てゴール。アビスパは0-2で敗戦を喫することとなった。
この日、同勝ち点で2位につけていた湘南ベルマーレがトリニータ大分と引き分けて勝ち点1を獲得し、単独首位に立った。アビスパは2位となった。金沢との試合を、単なる番狂わせやアンラッキーで片付けてはいけない。リーグ戦も後半に入り、試合数を重ねることで選手間の連携が深まり、また監督の戦術が浸透することでチーム力が上がってくるチームも多い。アビスパはベテランぞろいで戦術理解の深い選手が多かったためにアドバンテージがあったといえるが、後半戦では前半で楽勝した相手といえども油断は禁物ということになる。当然、相手チームもアビスパ対策は十分に講じたうえで対戦に臨んでくる。それを退ける一段上の強さがあってこそ、自動昇格をつかみ取ることができるのだ。
次節第23節は7月16日、ザスパクサツ群馬とのアウェー戦。暑い日々が続くが、筑後・大分豪雨で被害を受けた皆さんの励みになるためにも快勝を期待したい。
【深水 央】
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