2024年12月22日( 日 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~日本シリーズ3戦目、どう戦うか

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 広島が敗れて、多くのファンから「ペナントレースは何のためにあるのか?」という声が聞こえてきそうですが、この制度が決まっている以上仕方がないというところでしょう。

 パ・リーグはペナントレースの力を見せてソフトバンクが楽天を4勝2敗という数字で破り、楽天の健闘が光った様に見えた戦いでしたが、セ・リーグはペナントレースを勝ち上がった広島を3位のDeNAが阪神を破り、広島を倒して日本シリーズに出てきました。

 阪神戦では雨の中の戦いもあり大変ななか、昨年の悔しさが支えたのでしょう。初戦を5-3で勝利して、第2戦を2-1で落としたけれど、第3戦を4-3という接戦でモノにしたところに今年のDeNAのチーム力を見たように感じました。ペナントレースではできなかった中盤からのリリーフ投手の頑張り、ラミレス監督の勝負にかける執念のような継投が見られたと思います。

 この勢いを広島でも見せて、元気のいい広島を一気に押し倒したように感じました。昨年は第1戦ジョンソン投手、第2戦の野村投手に圧倒されて、2試合ともに点が取れず0点での完敗、3戦目にやっと井納投手が頑張り、3点を取って勝利を上げ、4戦では岡田投手を攻略して7点を取ったが広島打線の爆発でシリーズ敗戦。ここを今年はしっかりと修正してきたように見えました。

 さて、日本シリーズをのぞいてみると、流石に第1戦は日本シリーズに出られた事に安堵したのか?このシリーズ初めて井納投手が4回1/3で7安打7失点と崩れて付け入る隙をもらえなかった。

 打線も6安打で1点というところでソフトバンクの強さだけが見えた第1戦でした。さすがに長年チャンピオンを取り、経験しているチームだという感じの戦いで、千賀投手も久々に7回を投げて、4安打1失点という本来の力を見せた試合で付け込む隙はない感じでした。

 そして迎えた第2戦、この試合はシリーズに出られたということを喜んでいる場合ではなく、何としても付け込む隙を見つけるための試合にしなくてはいけないのですが、結果的には「勝てるかな~」と思った時に隙ができてしまい、決勝点を奪われての敗戦でした。

 実はここがチーム力、経験力の差だと見ていました。ここで点を取らなくてはいけないところで、きっちりと「1点」を取るソフトバンクの強さを感じる今宮の走塁でした。

 何度も勝つか?負けるか?の勝負の場面を潜ってきたチームの強さと言ってもいいでしょう。

 勢いでなく力で「1点」を取りに来る、相手のミスにしっかりとつけ込んで「1点」を取る。強いチームならではの1点でした。

 第1戦と全く違う展開の緊張した試合の中でこの勝ち方を見せたソフトバンクの強さを感じた第2戦だったと思います。

 さあ、場所を移して横浜球場での第3戦、どんな野球をソフトバンクは見せるか?DeNAの選手は地元に帰りどんな気持ちで球場に来るのか?今日勝つとプレーしているDeNAの選手はイーブンになったような気がするものです。何度も2敗からやり直した日本シリーズを経験しました。ただ、3戦目を落とすと焦りが出るのも事実です。今日の試合の大きさを感じてもらえるのではないでしょうか?

 ソフトバンクが力で押さえ込むのか?DeNAが這い上がるきっかけを掴むのか?ゆっくりと見せてもらいましょう。

2017年10月31日
衣笠 祥雄

 

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