第四銀行と北越銀行の経営統合延期を検証する(2)
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第四銀行と北越銀行は、当初想定したよりも公取委の審査が厳しいことから、今年10月中としていた最終合意は難しいと判断。別表の通り、10月27日連名で、「経営統合のスケジュール関するお知らせ」を発表。半年延期し来年5月に予定変更した。何故半年延期せざるを得なくなったのだろうか。今まさに地域金融機関は将来の金融再編の行方を占う大事な局面を迎えているといえよう。
金融庁と公正取引委員会
地域金融機関の経営統合を進める金融庁に対して、地域経済を独禁法上の立場から審査する公正取引委員会。
◆金融庁
・公取委の論点とルールもわかるが、何が本当に公益に資するのか。今のルールも含めて再検討の余地がある。近年は競争激化で地銀相互の隣県進出が激しく、企業や消費者は県内に本店のない銀行から融資を受けることが増えている。必ずしも県内でのシェアの高さが懸念すべき独占的な地位にはならない。また低金利により金融機関の収益状況は悪化しており、経営統合を積極的に進めないといけないとの立場。◆公正取引委員会
・地銀が多くあれば選択の余地が広がり、それだけサービスは良い。しかしその上位が合併すれば独占的となるとの立場。
【表1】全国の地方金融機関(地銀・信用金庫・信用組合)を見ていただきたい。この表から見えるもの
◆第一地銀は64行。第二地銀は41行で地銀の総数は105行。十八銀行と親和銀行の合併は無期延期となり、第四銀行と北越銀行の合併も6カ月延期となった。地銀の経営統合を積極的に進めたい金融庁に対し、ともに第一地銀同士の合併であり、地域経済に与える影響は大きいことから、続けて「待った」をかけた公取委の姿勢が読み取れる。
◆それに対し信用金庫は264庫と地銀の2.5倍。多くの信用金庫は各市町村単位で存在している。行政もそれぞれの思惑があり、合併が進まなかったことが大きな阻害要因となっていた。
しかし今は日銀のマイナス金利の影響を受けて経営が厳しくなっており、大半の信用金庫は合併し、高率化を図らないと生きていくことが出来ない状況になっているのが現状。金融機関を監督する立場の金融庁はバブル期以上の危機感を持っているといわれる。
地銀の経営統合を急ぎ、次は信用金庫の合併を予定していたが頓挫。そのため従来の戦略を見直し、再度中央突破を目指そうとしているようだ。(つづく)
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