はれのひ 篠崎洋一郎社長が記者会見で謝罪〜販売した振り袖は返還へ
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「隠れるつもりはなかった」ーー。
成人式の振り袖などのレンタル業者はれのひ(株)の篠崎洋一郎社長は1月26日、横浜市内で記者会見を開き、被害者へ謝罪した。同席した破産手続きの申請代理人の弁護士によると、振り袖やその半製品約1,200着が同社で保管されており、破産管財人によって購入者に返還されるという。同社は1月24日、横浜地裁に破産手続きの開始を申請し、同26日、同地裁より破産手続開始決定を受けた。
篠崎氏は、同社が破綻に至った経緯について、「(同社を)平成23(2011)年3月に設立して、一時は6店舗まで拡大した。急激な出店で人件費が拡大し、平成28年9月期には大幅な赤字になった。その後、新たな融資はリスケジュールのお願い、M&Aの実現に向けての取り組みなど対策を行ってきたが、売り上げの減少に歯止めがかからず、成人式当日の着付けの費用の支払いのメドが立たず、このような事態となりました」と説明。 「お嬢様、ご家族様の一生に一度の成人式を台無しにし、本当に取り返しのつかない事態になってしまったことは、代表取締役である私にすべての責任がある」として謝罪した。
記者からの質問に対し、篠崎氏は、「昨年4月に仕入れ先への支払いができず、商品が止まり、自社在庫で営業を続けたが、ゴールデンウィーク前から商品量が不足し、社員のモチベーションが低下。危機感を感じていた」とコメント。成人式の直前まで、当日の手配のため、関係業者と交渉を行なっていたという篠崎氏は、1月8日当日は、「知人のところにいた」とし、「今思うと、私ひとりでも謝罪に行くべきだった」などと語った。
成人式から記者会見に至るまでの18日間については、対応について相談する弁護士を探したり、その調査で時間がかかったと説明。「隠れるつもりはなかった」とした。また、販売契約した振り袖の転売については否定した。
申請代理人によると、同社の負債総額は、現時点で、一般客の損害分を除き約6億3,500万円。一般客の損害分を合わせると約10億円になるという。負債の内訳は、金融機関12社に対し約3億8,000万円、一般企業270社に対し約1億8,000万円。このほか、従業員35名に対する未払賃金が約1,800万円、税金の滞納が約5,500万円。
また、全店舗の契約者数は2018〜2020年度分で合計約1,600名(18年度約850名、19年度約660名、20年度約60名)。購入した振り袖については、返還の可能性があるが、代金の一部が未払いの場合やレンタル、ヘアメイク、着付けなどの付属サービスにかかる支払い分については泣き寝入りとなる可能性が高い。
【特別取材班】
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