パチンコ・パチスロ出玉制限~どうなる遊技業界
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もうけの上限は十数万円から5万円に……。
パチンコの一回の大当たりで得られる出玉の上限が2,400個から1,500個に、パチスロは同300枚以上から300枚までに。2月1日に施行された「風俗営業などの規制および業務の適正化などに関する法律施行規則および遊技機の認定および型式の検定などに関する規則の一部を改正する規則案」(以下、改正風営法)に対応するため、大幅な「自主規制」が実施された。
大勝ちの夢、潰える
改正風営法はギャンブル依存症対策の一環として2月1日に施行された。大当たりで得られる出玉=勝ち額を減らすことで、遊技愛好者の借玉遊技=投資額を抑える狙いがある。
同法の施行前に実施されたパブリックコメントでは、「出玉規制の強化よりも、1日に使用可能な遊技料金の総額を規制することを検討するべきではないか」。「規制内容が厳しく、客離れが進むことが予想される。パチンコ屋、遊技機製造業者の経営が苦しくなるのではないか。雇用への悪影響も懸念される」などの反対意見も寄せられたが、そうした意見が今回の改正風営法に反映されることはなかった。
改正風営法に対応すべく、施行前日の1月31日、パチスロ機の開発メーカーで組織される回胴式遊技機製造業者連絡会は機種開発のルールとなる自主規制を正式に発表した。発表された内容には、最大差枚数2,400枚(勝ち額5万円未満)などの項目が盛り込まれた。“新基準機”の遊技を通して、一撃で大量のメダルを獲得することは不可能となる。
「夢幻泡影」の遊技市場
新基準機の導入にあたり、改正風営法施行前に遊技場に導入された“旧基準機”は順次撤去されていくことになるが、実際に撤去されるまで認定日(ホールで営業する遊技機に対して許可を出した日)から3年の猶予期間が設けられている。遊技場では現在、一撃で大量の出玉・メダル獲得が期待できる旧基準機を改めて導入する動きが散見される。猶予期間を利用し、客離れを鈍化させたいのだろう。
しかし、旧基準機の認定申請受付は先月末で終わった。どんなに長くても2021年1月末には旧基準機は遊技場から完全撤去されることになる。遊技場経営者は否応なしに新基準機を導入せねばならず、遊技愛好者も同様に新基準機を打たなければならない。客離れはもはや止めることはできない。
ホール運営企業間でのM&Aは加速している。メーカー間のそれも活発化してくるだろう。遊技市場の寡占化が進むなか、一体どのホール、どのメーカーが生き残るのか――何より、遊技市場はいつまで存在していられるのだろうか。
【代 源太朗】
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