タイ王国 福岡市に福岡総領事館開設、10月1日を目標
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九州の中小企業を誘致
9日、福岡県を訪問したタイ王国ソムキット・チャトゥシーピタック副首相は、福岡市内で記者会見を開き、10月1日を目標に福岡総領事館を開設することを発表した。場所については未定。福岡県側の提案を受け、「できれば交通利便性の良い(福岡市の)中心部」(ソムキット副首相)を考えているという。
タイ政府は1月、福岡への総領事館設置を閣議決定。ソムキット副首相を始め、タイ政府要人で構成される訪問団は8日から11日まで、関係者との協議やタイのPRなどのため、福岡県を訪問。8日は、小川洋福岡県知事や樋口明福岡県議会議長らと会談・会食を行った。
9日は午前中に、タイ投資委員会(BOI)、在京タイ王国大使館が主催する経済セミナーに出席。セミナーでは、「今まさに事業展開の最大の好機」と、直近の投資政策やインフラ開発計画などが説明され、タイへの投資や企業の進出を呼びかけた。タイ政府は、タイ東部沿岸地域・イースタンシーボード工業団地を「東部経済回廊」として、集中的にインフラを強化。国際空港、商業港、高速鉄道、複線鉄道などの開発計画が決定されている。
ソムキット副首相は記者会見で、タイを「ASEAN地域の中心的役割」とし、先進技術をもつ九州中小企業へ進出を呼びかける。また、訪問団関係者によると、2016年に閉鎖されたタイ貿易センター福岡事務所についても復活を検討している。
タイ貿易センター福岡事務所の閉鎖後、福岡県は福岡県議会とともに、タイ総領事館の福岡誘致を行ってきたが、今回、タイの経済政策の方針決定とともに実を結んだ。今後、タイと九州の経済交流の活性化が期待される。
長年、タイとの交流に取り組んできたタイ貿易センターOBは、「タイからの観光客は近年増加しており、地震などの有事の際、タイ人の駆け込み寺として拠点は必須。現在、総領事館がある大阪までは遠すぎる。観光やビジネスの交流拠点として期待したい」と語った。
【山下 康太】
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