石津オーバーヘッド、森本デビュー弾で井原体制初の開幕勝利 福岡2-0岐阜
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J2優勝、J1昇格へ向けて、アビスパ福岡は最高のスタートを切った。
2018年、J2シーズン初戦を迎えたアビスパ。改装なったレベルファイブスタジアムには、1万2,000人を超える観衆が詰めかけた。
初戦の相手はFC岐阜。試合前の予想通り、岐阜は低い位置からボールを繋ぎながらフィールドを広く使った攻撃を見せるが、ゴールを脅かす位置まではなかなかボールを運べない。アビスパはDF岩下敬輔、DF堤俊輔、DFウォン・ドゥジェがパスをさらい、前線への長いボールと両サイドの突破で岐阜のディフェンスを揺さぶる。
試合が動いたのは前半6分。DF輪湖直樹のクロスボールをFWドゥドゥが折り返すと、FW石津大介が強烈なオーバーヘッドで先制ゴールを叩き込む。J2屈指の実力を誇る岐阜GKビクトルの反応も及ばず、鮮やかなシーズン初ゴールとなった。
その後もアビスパは両サイドからの早く低いクロスボールにドゥドゥ、石津のツートップが走り込む形、右サイドのDF駒野友一・MFユ・インス、左サイドの輪湖直樹・FW松田力が縦関係で崩す形を見せながら何度も岐阜ゴールを脅かす。とくにドゥドゥは持ち味のスピードを発揮し、岐阜DFの厳しいチェックを受けながらボールキープする場面を見せた。
後半8分に、前半何度も突破を見せていたユ・インスが足首を負傷、交代。今期の新加入選手でもっとも注目されているFW森本貴幸がピッチに立つと、アビスパ応援団の盛り上がりは最高潮に達した。「点を取るという能力ならチーム随一」(井原正巳監督)の期待を背負う森本はすぐに、岐阜ゴール前で再三鋭い飛び出しを見せる。
森本が天性の得点能力を発揮したのは後半35分だった。輪湖直樹のクロスを逆サイドの駒野友一が鋭く折り返し、中央でボールを受けた森本が右足を振りぬくと、岐阜ゴール右隅に突き刺さった。これがゲームを決める2点目となり、そのまま2-0でタイムアップとなった。
試合後、井原監督は「ホーム開幕戦ということで、大勢のサポーターが多くのパワーを送ってくれた。これまで3年間開幕戦は勝っていなかったが、この結果が出たのは皆さんのおかげだと思う」と述べて、初戦勝利の意義を強調した。さらに、積極的なゲーム運びによって先制点をあげたことを指摘したうえで、「しっかりとした守備から機を見て速い攻撃に移ることを、90分続けることができた。追加点を上げるまで時間はかかったが、この勝ち点3を次につなげたい」と述べ、快勝を遂げたチームに高い評価を与えた。
今シーズンから、J1昇格への仕組みが変更された。J2で3位〜6位に入ると、プレーオフを勝ち抜いたうえで、J1チームとの入れ替え戦に勝つことが昇格の条件となったのだ。昨季プレーオフ決勝で涙をのんだアビスパとしては、より厳しくなった昇格への道を駆け上がるためにも、自動昇格、いやJ2優勝しか視野に入っていない。開幕戦は、そのための最高の滑り出しとなった。
【深水 央】
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