大統領経験者がまた逮捕、疑惑の李明博、韓国元大統領(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
23日未明、さまざまな疑惑が噂されていた李明博(イ・ミョンバク)元大統領が、収賄、横領などの容疑で逮捕された。ソウル中央地検は、犯罪の重大性や今までの捜査過程の状況などを照らし合わせ、証拠隠滅の恐れがあると判断し、逮捕状を出したようだ。韓国では2017年3月に逮捕されて、すでに刑務所に入っている朴謹恵(パク・クネ)前大統領に続き、2名の大統領経験者が同時に身柄を拘束される異例の事態となった。韓国で大統領経験者が逮捕されたのは、全斗換(チョン・ビファン)元大統領、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領、朴謹恵前大統領に続き、今回で4人目。
李明博元大統領は大統領在任中に、国家情報機関の国情院(KCIA)から工作資金である特殊活動費を大統領府に上納させ、その金を流用した疑い。また李明博元大統領は自身が実質のオーナーだと推定されている自動車部品会社「ダース」の裁判費用をサムスングループに肩代わりさせたとみられ、収賄の容疑もかけられている。韓国の検察は李容疑者の収賄総額は役110億ウォン(約11億円)、横領は約350億ウォン(約35億円)に上るとみている。それでは、李明博元大統領とは、どのような人物だったのか。李明博元大統領はサラリーマンから第17代韓国の大統領に上り詰めた立志伝的な人物であった。日本でも大統領に就任した当時は、大阪生まれで、とくに経済に明るいということで、彼に対する期待は大きかった。
世界の一般的な予想を覆し、韓国がUAEから原子力発電所のプロジェクトを受注するようになったときには、李元大統領のセールス外交は日本でも称賛され、評価がとても高かった。
しかし、大統領退任後は引っ切り無しに疑惑が持ち上がり、退任後、5年1カ月で収賄、横領の疑いで逮捕されることになった。
李元大統領は、もともと貧しい家庭で生まれ育ち、大学は高麗大学商学部を卒業している。大学卒業後、現代建設に入社し、29歳の時に取締役に就任。そして、35歳の時に現代建設の社長に抜擢される。
当時の韓国は中東建設ブームに沸いていて、高度成長期だったため、建設産業は韓国経済を支える重要な産業で、そのなかでも、現代建設は業界トップの建設会社だった。そのような状況で、現代建設の社長に就任していたので、彼はいわばサラリーマンの伝説であった。現代建設社長時代の逸話は色々あるが、そのなかでも毎朝3時に起きるという話は韓国でも有名である。そして、1992年、ビジネスで成し遂げた成功を足がかりに、李はいよい政治の世界に身を投じることになる。
金泳三(キン・ヨンサン)元大統領の勧めで政治の世界にはいることになった李は、国会議員に当選した後、2002年にはソウル市長選挙に出馬し、ソウル市長になる。(つづく)
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