2024年12月23日( 月 )

西日本フィナンシャルホールディングス、久保田勇夫会長新春経済講演会(1)

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 1月30日、福岡市のホテルオークラ福岡で「第11回久保田勇夫新春経済講演会 2018年 経済・金融の見通し~世界、日本、そして九州~」が開催され、西日本フィナンシャルホールディングス会長で西日本シティ銀行会長の久保田勇夫氏が講演を行った。
 NetIB-Newsでは、この講演の模様を複数回に分けて掲載する。

I.始めに

真剣かつ正確に「質の高い見通し」を

 皆さま、こんにちは。ご紹介いただきました久保田でございます。日ごろから西日本シティ銀行、西日本フィナンシャルホールディングスグループが大変お世話になっておりまして、心から御礼申し上げます。

 さて今日は恒例の新春経済講演会でございます。レジュメに沿ってお話をさせていただきます。資料の中に「サブプライムローンと為替の動向について」という一枚紙を入れております。「何か間違って入っているのではないのか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。日付を見ていただきますと、2007年9月26日となっております。昨日、今日と新聞紙上でリーマン・ショック、これは2008年9月に始まったのですが、その始まる1年前の、それを引き起こしたサブプライムローン問題についての日本銀行の金融政策委員会の議論はどうだったのかという報道が出ております。それについての解説なり情報提供を当時すでにこの福岡で私かやっておりましたという証拠であります。報道によりますと日銀ですら、当時どの程度深刻なものであるかについて意見が割れていたその時に、私は「これは大変なことになる可能性がある」と述べているわけであります。これは「二金会」というある1つのグループに対するお話でございます。続いて11月8日には、「サブプライムローン問題と日本経済」という題でより多くの人を対象とする特別講演会を開いております。われわれがいかに真剣にかつ正確に情報を皆さまにお伝えしようとしているかという資料になるかと思い、入れさせていただきました。

 さて、本題に入ります。ご承知の通り、今年で11回目になりますこの講演会は質の高い経済・金融の見通しを目指しております。心に決めておりますのは、直近の、世界を含めた総合的なもので応用の効くものをということで、いろいろな事をベースに話しています。その特色は、世界の資料、あるいは日本の資料に直接あたるということ、経済理論を踏まえること、それに私自身の経済政策立案の経験をベースにするということでございます。私はかつて大蔵省に31年ほど勤務いたしました。その半分は国際部門でございますが、そのかなりの部分、あるいはほとんどと言っていいかと思いますが、経済に関わるものであります。この経済見通しという本日のテーマについては、私には格別興味があるところでございます。

(つづく)

 
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