40周年を迎えた『筑紫もち』、3秒に1人を笑顔に変える(前)
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(株) 如水庵
徐々に効果を見せ始めた業務効率化
NHKの大河ドラマで全国的に知名度を増した黒田官兵衛の隠居後の名前を「如水(じょすい)」という。この「如水」を社名に用いているのが黒田家ともゆかりが深い老舗お菓子メーカーの「如水庵」だ。福岡市近郊を中心に直営店だけで27店舗あるほか、駅や高速道路のサービスエリアなどで如水庵の商品を見かけたことがある人も多いはずだ。
現在、同社主力商品である『筑紫もち』は40周年を迎えた。水にこだわり、おいしく練り上げられたもちと、滋賀県・琵琶湖のほとりで栽培される大豆・タマホマレを使用した黄な粉、そしてお好みでかけられる黒蜜。小さな風呂敷のような包み紙で1つひとつ包装された同商品は、多くのファンから支持を得ている。モンドセレクション最高金賞を7年連続して受賞した経歴がある。その筑紫もち誕生から40周年記念として、「『3秒に1人』笑顔に。ポスター」や「黄な粉フェア」など、さまざまな企画が行われた。「『3秒に1人』笑顔に。」とは、年間販売数約1,200万個を年間の秒数で割ったところ、『3秒に1人』が筑紫もちを食べているという計算からだ。
そうした取り組みが功を奏し、筑紫もちは例年に増して売れ行きが伸び、売上高の約50%を占めている。二番手の商品となる『博多よかいも とっとーと。』は約10%。「強力な主力商品をもっている菓子メーカーにとって、主力商品の次にくる商品を育てるのは大変です。それだけ主力商品のイメージは強いんです」と語るのは川添教生常務取締役兼営業本部長だ。
同社は2016年2月1日に、実質的な本社機能の役割をはたす営業本部を古賀市の第4工業団地に移転させた。これにより、菓子商材をはじめ、箱や包装紙などの副資材までの管理や配送センターの併設で、物流効率化がなされた。移転から2年目に入る現在の状況について、川添氏は「今まで使っていた倉庫や箱の組み立て、ピッキングなどの費用も抑えられるようになり、外部支出の削減に成功しています。また、いわゆる分業制で業務を行っている弊社にとって、本部に配送センター(自社トラック約10台稼働)が併設したことで各セクションと連携しやすくなったのは大きなプラスです」と手応えを感じている。
同社には販売部門(直営部、マーケティング部、通信販売部)、物流部門(物流部)、製造部門(製造部)、研究開発部門(技術部、品質管理部、企画販促部)、管理部門(管理部、総務部)、原工房などのセクションがあり、それぞれが独立して機能的に動いている。営業本部として集約させたことで、パフォーマンスの向上につながっているのだ。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:森 恍次郎
所在地:福岡市博多区博多駅前2-19-29
設 立:1962年6月
資本金:6,100万円
TEL:092-940-0052
URL:http://52-net.com<プロフィール>
森 恍次郎(もり・こうじろう)
1947年11月、福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、70年にガンで他界した父・正美氏の跡を継ぐ。77年には「筑紫もち」を売り出し、同社の主力商品に育て上げる。89年、黒田如水への深い尊敬の念から、販売会社を如水庵と改名する。趣味は音楽、古代史。関連キーワード
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