2024年11月23日( 土 )

社会を豊かに楽しくする 唯一無二の映像・コンテンツを展開する(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

大洋グループ

地域に必要とされる自社コンテンツを生み出す

 「福岡を拠点とする会社ですので、福岡ならではの表現をやっていきたいと思っています」(岡部社長)。11年に制作した、九州新幹線全線開通のテレビCM「祝!九州」を始め、熊本県の「くまもと移住前夜・宮本武蔵」編など、福岡に限らず、地方に住む人々のアイデンティティを大事にした発信力のある映像のほか、地域ぐるみの自社のイベントも展開している。

 たとえば、毎年太宰府天満宮で行う「全国梅酒まつりin福岡」は、全国から集められた150種類以上の梅酒を販売し、飲み比べ(有料)もできる九州最大級の梅酒の祭典だ。

 「イベントを開催するなら、JR博多駅など圧倒的多数の人が行き交う場所で実施した方が収益的にはベストかもしれません。でも、梅といえば太宰府天満宮ですし、あの厳かな、梅香る雰囲気のなかで梅酒を楽しんでもらいたいというのが私たちの思いです。福岡市街地からは少し遠いかもしれませんが、そこで開催する必然性や意義を重視しています。その分、毎年楽しみにしていただける方が多いのかなと思っています」(岡部社長)。

 太宰府天満宮以外の団体が境内で催事を行うこと自体が異例なのだが、同社の企画意図や思いが受け入れられたことで実現したイベントなのだ。

 「自社で企画をするコンテンツやイベントは、年々増えています。その際に重視するのは、やはり、自社を行うことの意義ですね。しっかり目的をもってやらないと後には続きませんし、効果も達成感も得られません。梅酒まつりの例もそうですが、弊社主催のSUP(※2)の大会も人気です。SUP経験者のスタッフが中心となって企画をしているのですが、たとえば、那珂川でSUPをしながら見る福岡の街は格別です。河川を清掃しながら福岡の水辺活性化のお役に立てれば良いですね」(岡部社長)。

 そのほか、映像コンテストに出展するための動画制作や、カラオケ店での介護予防教室、最新テクノロジーを駆使したサービスを追加したカラオケルームをつくるなど、現在取り組み中の案件も多数あるという。さらに、組織の活性化と成長を目指して、大幅な組織編成の改変を行っていく予定だ。

 老舗でありながら、チャレンジ精神を忘れず新しいことを仕掛けていく、今後の大洋グループの動きから目が離せない。

(了)

(※2)SUP:スタンドアップパドル(Stand Up Paddle)の略。サーフボードのうえに立ちパドルを漕いで水面を進むアクティビティ。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:岡部 知寛
所在地:福岡市中央区清川2-12-6
TEL:092-524-5165
URL:http://www.taiyogroup.co.jp

<プロフィール>
岡部 知寛(おかべ・ともひろ)
 1976年10月生まれ、福岡市出身。2003年4月に電通九州へ入社し、08年11月に大洋グループ社長室長として入社。11年12月に大洋グループの代表取締役社長に就任した。九州国立博物館振興財団理事、九州経済フォーラム常務理事、九州インターンシップ推進協議会理事などを務める。趣味は映画鑑賞。

 
(前)

関連キーワード

関連記事