2024年11月13日( 水 )

福岡の街とともに成長し続ける不動産企業(前)

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(株) オー・エイチ・アイ

総合不動産業で着実に業績をアップ

(株) オー・エイチ・アイ 井川 英治 社長

 地域密着型企業として、福岡を拠点に不動産業を総合的に行っている(株)オー・エイチ・アイ。今年で設立15年目を迎える同社は、業界を震撼させた2008年のリーマン・ショック以降も着実に業績を伸ばし続けてきた実力のある企業だ。4年前から「10年計画」をスタートさせた同社は、この4年間の数値目標を順調にクリア。17年3月期はグループ売上高約17億円を計上し、利益面でもほぼ10年計画の最終目標に近い数字を出した。また、10年計画では数値目標以外に、グループ会社で創業50年を迎えた(株)大井不動産を含めたホールディングス化、さらに両社の中枢部門を同じビル内に集約して、よりフレキシブルな連携体制を築くことなどを掲げ、長期的な構想も描いている。

 現在は、オフィスビルや商業施設の運営を通してお客さまの利益を創出する「プロパティマネジメント」を始め、投資家の資産運用をサポートする「アセットマネジメント」、地場の強みを存分に生かした「不動産売買仲介」、福岡の中心街4つのビルにある「貸会議室」の4事業を展開している。取り扱っているビルには、中洲のgate’sや百道浜のヒルトン福岡シーホークなどがあり、ご存知の方も多いことだろう。

 井川英治社長は創業からこれまでを振り返る。「おかげさまで運営するビルの評判も良く、現在に至ります。ここまで続けられたのも、人とのつながりによるものが大きいですね。損得勘定ではなく、人との出会い、ご縁を大切にし、信用を築く。これこそが商売の基本なのではないでしょうか」。

今までもこれからも、変わらぬ企業理念を、未来に伝えたい

 会社を設立する前は、多額の債務を抱えた関連会社の舵取りを任されていた井川社長。利益が出ない厳しい時代をどうやって乗り越えてきたのか。不遇の時代にはどんなことを考えていたのかうかがってみた。

 「20年程前の不景気のころは本当に厳しかったですが、経営が辛いときはなおさら、お客さまのことを第一に考えないといけないという気持ちでいましたね。厳しい時代だからこそ、どうやったらお客さまに喜んでもらえるか、いろいろと試行錯誤したものです。たとえば、賃貸を決めてくれたお客さまには1人ひとりにハガキを書き、お礼の気持ちを伝えるようにしました。苦情でも何でも、すぐにご連絡くださいなど、自戒の意味も込めて何百枚も手書きしていましたね」。

 契約を結んだお客さまには、たくさんの企業のなかから自社を選んでもらえてありがたいという感謝の気持ちを伝える。また、自分に何が足りなかったか、自分を反省するためにもハガキ書きに取り組んでいたという井川社長。それがすぐさま営業につながるわけではなかったが、少しずつ取引したお客さまから「またお願いしたい」とリピートをいただくようになったのも、このころからだという。経営者として、自らが常にお客さまのほうを向いていることが大切だと気づけたことは、何よりの財産だったに違いない。また、社員全員での朝の掃除が始まったのもこのころだった。「毎朝、会社や、その周辺でゴミ拾いやトイレ掃除を継続したことで建設大臣賞までいただくようになりました。辛かった時代も、振り返ると悪いことばかりではなかったですね」。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:井川 英治
所在地:福岡市中央区天神4-6-7 天神クリスタルビル14F
設 立:2003年10月
資本金:1,100万円
TEL:092-733-2681
URL:http://www.ohi-pm.jp

<プロフィール>
井川 英治(いかわ・えいじ)
 愛媛県出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、外資系海運会社に勤務し、(株)大井不動産入社。(株)ホークスタウン代表取締役社長も務める。2003年に(株)オー・エイチ・アイを設立、代表取締役となる。趣味は読書、絵画鑑賞、仲間と酒を飲み交わしながら楽しく過ごすこと。

 
(後)

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