2024年12月23日( 月 )

多彩な店舗を積極展開、人材が定着できる環境づくりに注力する成長企業(前)

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(株)タケノ

駅ナカへの出店にも積極的

▲竹乃屋熊本駅ナカ店

 (株)タケノの創業者・竹野孔氏の両親は食堂を営んでいた。氏は小学生のころから皿洗いなど店の手伝いをさせられ、遊び盛りの竹野少年としては家業が嫌いで、子どものころの夢は普通の会社員だったとか。しかし大学1年の時に状況が一変。父親の食堂が倒産し、竹野氏は一家の大黒柱として家族を養っていかなければならなくなったのだ。そして借金返済のメドが付くと、自然の成り行きか、焼き鳥屋を創業することになり、現在へ続く道を歩み始めることになる。

 最初は1976年、わずか5坪13席の焼き鳥屋。前述のように、竹野氏は飲食業にほぼ無関心だったために、創業期には幾度となく経営の危機に見舞われた。しかし「あきらめない」「何とかなる」を信念に一所懸命に取り組んだことで危機を乗り切っていった。

 現在、店舗数は34店舗(2018年3月時点)。原点である居酒屋「竹乃屋」を中心に、本格ビストロの「ビストロタケノヤ」、居酒屋の「天天」、とんかつや唐揚げなど揚げ物主体の「トンカツ カラアゲ あかね農場」、たまごかけご飯が評判の「あかね農場直営 たまごかけごはん屋」、オムライスが楽しめる「エッグ&チキンタケノヤ」、博多名物一口餃子の「一ロ(いちろ)」、天ぷら定食をメインに提供する「天ぷら定食えびす食堂」と多彩な店を手がける。

 海外にも目を向けており、17年には海外第1号店を中国・上海にオープン。将来的には中国を始め東南アジアでも店舗を展開する予定だ。さらに熊本のうどん業界の老舗「ふく泉」をM&Aし、同ブランドでの新たな展開も計画中だ。最近では鉄道関係からの出店要請もあり、駅ナカにも着目。すでに博多駅、小倉駅、天神ソラリアステージなどの駅ナカまたは駅に隣接したビルに「竹乃屋」ブランドのコンパクトな居酒屋や「天天」などを展開。新装オープンしたJR熊本駅駅ビル内の「肥後よかモン市場」に構える「竹乃屋」と「ふく泉」はビル開業と同時に満席になるなど大好評で、駅ナカ出店は今後の主力にもなりそうだ。

 同社の展開は外食だけにとどまらない。より安心・安全でおいしい食材を追求するために農業生産法人「タケノファーム」を設立。直営農場を所有し、ブランド卵「つまんでご卵」の生産も取り組む。この「つまんでご卵」や熊本八代の契約農家の無農薬人参といった厳選した食材の通販事業にも乗り出している。

 このような事業拡大を受け、本店兼本社のリニューアルにも着手した。店舗(「竹乃屋」本店)自体は別の場所に移動し建替え、新たな店としての開業を計画。一方、現在の本店は本社オフィスに改装、隣接してセントラルキッチンを建設する。本社およびセントラルキッチンには18年5月には稼働する予定である。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:竹野 孔
所在地:福岡市博多区博多駅南4-18-27
設 立:1979年4月
資本金:3,000万円
TEL:092-451-0200
URL:http://www.takeno.co.jp

<プロフィール>
竹野 孔(たけの・とおる)

 1955年6月8日生まれ。大学1年生の時、父親が食堂を廃業したことをきっかけに、自身で焼き鳥屋を創業。当初は苦労したものの、その後、順調に事業を拡大。今では居酒屋を始め36店舗を展開。趣味はハーレーでのツーリング。

(後)

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