アセアンのリーダー国を目指すインドネシアの強みと弱み:日本の出番!(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年9月14日付の記事を紹介する。
8月18日から9月2日の間、“アジアのスポーツの祭典”と呼ばれる「第18回アジア競技大会」がインドネシアのジャカルタで開催された。オリンピックより競技種目も多く、主催国の独自色が売り物のアジア競技大会である。今回の大会ではロシアの武道「サンボ」やパラシュートの腕を競う「パラグライディング」、日本でも徐々に人気の「ジェットスキー」に加えて、インドネシア人の国民的頭脳ゲーム「ブリッジ」まで競技種目として採用された。いわゆる「eスポーツ」など室内ゲームを入れ、何と42種目462競技が繰り広げられたのである。
参加国は45の国と地域。選手の数は1万人を優に超えた。日本の選手団だけで1,096人と賑やかだった。報道陣、応援団を加えると大変な数の外国人が押し掛けたものだ。ただでさえ「交通渋滞がアジア最悪」といわれるジャカルタでは、いたるところで大混乱が発生することに。そのため、小学校も中学校もすべて休校となった。バスも車も動かないためである。
10万人を超える警察官と軍隊が交通整理や治安維持に当たったが、地下鉄や鉄道網が未整備のため、移動は混乱を極めたようだ。ウィドド大統領ですら式典に間に合わせるためバイクで移動せざるを得ないような有様だった。
そんなジャカルタで、今、深刻な問題が発生している。何かといえば、1,000万人が暮らす首都が水没の危機に瀕しているのである。もともと沼地であったジャカルタ市内には13の河川が流れている。これまでも河川の氾濫は日常茶飯事であった。
しかし、地下水のくみ上げ過ぎで、ジャカルタ市内全域で毎年平均15センチほど地面が陥没しているという。現時点でも、市の半分以上が海抜ゼロメートル地帯になってしまった。このままでは、2050年までにジャカルタは水没してしまうのが確実視される。
最大の理由は生活用水の不足である。ジャカルタの市当局が提供しているのは住民の必要とする水の4割ほど。そのため、大半の住民は勝手に井戸を掘り、飲料水から水浴用の水まで自前で確保するのが当たり前。今回のアジア競技大会の期間中は会場周辺の河川には全て蓋をして悪臭と見栄えの悪さを隠していたのだが…。
政府も危機感を強め、対策に追われているようだ。河川の水や雨水を貯水池に貯め、浄化して提供するなど努力は重ねているが、住民に届ける水道管の敷設は間に合っていない。実は、東京でも半世紀前には同様の問題に直面していた。東京では、くみ上げた地下水を人工的に補てんする仕組みを導入し、地面の陥没や水没を防ぐことに成功。
※続きは9月14日のメルマガ版「アセアンのリーダー国を目指すインドネシアの強みと弱み:日本の出番!(前編)」で。
著者:浜田和幸
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