中国経済新聞に学ぶ~米国が中国に対する憂慮(後)
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ロバート氏はこう指摘している。「私は中国の友人に警告したい。アメリカの中国に対する憂慮はトランプ政府内だけではないということだ。仮に米中関係が中間選挙後に、または2020年の大統領選挙後に過去のように戻るのは現実的ではない」
ロバート氏は四方面の心配を口にした。
1つ目は国営企業の作用だ。外側から見て、中国は国家資本主義のモデルに転換しつつあるように見えるが、アメリカは中国の私営企業が公平な市場競争に参加できないことを心配している。
2つ目は、この10年間で、中国との友好関係を支持していたアメリカやその他の国が、現在は日増しに落胆していることだ。中国は中国で投資を行う外国企業の技術の強制的な譲渡を実施し、ひいては知的財産権を盗み取ったことから、アメリカ実業界の強い不満を招いていた。以前のアメリカ実業界は米中関係を支持していたが、彼らはもうこの役を演じなくなっている。
3つ目は、「メイド・イン・チャイナ2025」計画だ。一部の人にとっては、この計画は将来的に科学技術業界を支配するように感じられる。中国がハイエンド産業に転換しつつあること、特に中国の労働力が減少しつつあることをアメリカは分かっている。アメリカの決して少なくない数のエリートは、中国が「メイド・イン・チャイナ2025」を未来に対する期待と考えていることを理解している。しかし、外国人は中国人とコミュニケーションを取る際、恐ろしく感じることがある。中国の自主的な創造は、保護主義、政府の補助、そして海外の科学技術企業の買収に基づいているのだ。
4つ目は、中国の外交政策だ。鄧小平時代の自己抑制から現在の自信に満ち溢れた大国外交への転換には大きな落差がある。トランプ政府だけでなく、アメリカのその他の層も中国に対する態度が変わり始めている。
ロバート氏はこのように語っている。「私は中国のWTO加入から17年にわたる交渉に参加してきた。現在の中国に、WTO加入時の服はもう合わないようだ。中国は市場への参入許可について、他の発展途上国より多くの認可されてきた。しかし、現在の中国の平均関税はいまだ9%台で、他の国の3倍だ。私のような人間が、中国のアメリカ車に対する関税が25%で、アメリカの中国車に対する関税が2.5%である理由をトランプ大統領に説明するのは非常に難しい。」
ロバート氏の中国での講演内容は、「アメリカ人が中国をこのように見ているとは思ってもみなかった」と中国の世論を驚かせた。当然、中国社会はロバート氏の演説を適切かつ友好的で、ペンス氏のように居丈高ではなかったと考えている。
アメリカ政府の強大な政治・貿易圧力のもとで、最近では中国社会にも内省の声があがっている。アメリカ人の批評は耳が痛いが、理不尽というわけでもない。中国は改革開放40周年を機に、成功と失敗の経験・教訓を誠実に総括し、同時に世界の強国と共存・共栄する発展の道を求め、価値観を共有すべきである。
「トランプが逆に中国の改革を迫る」というのも、最近の中国社会に現れた冷静な期待である。
(了)
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