2024年12月21日( 土 )

7社中、5社が減収減益 上場企業8月中間、節約志向で苦戦

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 九州地区の上場7社(子会社を含む)の8月中間決算は、5社が減収・経常減益または赤字を計上、業利益を含めて増収増益はマックスバリュ九州1社だった。消費者の節約志向で売上高が伸び悩み計画を下回る一方、人手不足による人件費高が収益を圧迫した。

 イズミの営業収益は予想を67億円下回った。既存店が前年割れだったことに加え、集中豪雨で一部店舗が被災したのも響いた。販管費を0.5%増に抑えたが、経常利益はわずかだが減った。
 リテールパートナーズは主力事業会社の丸久グループが微増収だったのと買収した新鮮マーケットが寄与し0.3%増収を確保した。マルキョウは0.4%減、マルミヤストアは1.5%減だった。営業利益は人件費が3.0%増えたこともあって4.3%の減益になった。

 イオン九州は既存店の不振に加え、豪雨で小郡店などが営業休止に追い込まれ3.6%減収となり赤字幅が2.7倍に拡大した。増収増益をはたしたマックスバリュ九州は品ぞろえの改善が奏功した。客数は減ったが、客単価増で既存店もわずかだが増収を達成した。ミスターマックスHDは既存店が1.1%減と苦戦。粗利益率の改善で営業利益は3.2%の増益を確保したが、助成金収入がなくなり経常は減益になった。

 百貨店2社のうち、井筒屋は株高とインバウンド消費の恩恵がなくアパレル不振も加わって1.5%減収に。経常は大幅に落ち込んだ。博多大丸は微減収・微減益だった。大都市では高級品需要とインバウンド消費が旺盛だが、地方では一服感が出ている。イズミ、イオン九州、博多大丸は通期予想を下方修正する。 

<上場および上場子会社の8月中間決算>
イズミ・・・・・・・・・営業収益3,586(▲0.3)、経常168(▲0.9)
リテールパートナーズ・・営業収益1,163(0.3)、経常30(0.1)
イオン九州・・・・・・・営業収益1,116(▲3.6)、経常▲13(―)
マックスバリュ九州・・・営業収益897(1.5)、経常11(87.4)
ミスターマックスHD・・営業収益603(▲0.6)、経常14(▲9.4)

<百貨店>
井筒屋・・・・・・・・・売上高378(▲1.5)、経常0.8(▲37.6)
博多大丸・・・・・・・・売上高259(▲0.8)、営業8(▲0.8)(
注)単位:億円、カッコ内前期比増減率%、▲減または欠損。イズミ、リテール、ミスターマックスHD、井筒屋は連結。博多大丸の営業利益は国際会計基準。
 

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