ドーピング問題で浮き彫りになる統合医療の必要性(中)
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自民党・統合医療推進議員連盟 会長代行 橋本 聖子 氏
――「自然治癒力を高める」という点は統合医療の考え方でもあります。橋本議員は党内では統合医療を推進するリーダー的立場にありますが、これまでの経緯をお聞かせください。
橋本 私は医療の専門家ではありませんので、治療分野よりも「疾病予防」を念頭に統合医療の必要性を訴えてきました。こうした考えを政策に反映させるため、私は2011年2月に自民党の有志を集めて「統合医療に関するプロジェクトチーム」を立ち上げました。12年10月まで8回にわたって会合を重ね、13年2月にはその成果として、「統合医療の推進のために」とする提言をまとめました。提言では統合医療の概念について、西洋医学とそれ以外の医療との統合、先進医療と伝統医療の統合といった、いわゆる医療技術の統合だけでなく、心と身体の統合、医療資源の統合、サイエンスとアートの統合、さらには医療・福祉と環境の統合など、幅広い概念が基本にあります。
プロジェクトチームは当初、参加する議員が少なく、統合医療について理解を示す議員もごくわずかでした。しかし、日本統合医療学会などの先生方を講師に招いて勉強会を重ねていくなかで、徐々に統合医療への理解が深まり、少子高齢社会に対応する医療モデル、そして社会保障制度の財源対策としても、統合医療の重要性について共通認識が生まれてきました。とくに医療費抑制、健康長寿社会の実現という観点からは、統合医療を推進することが不可欠である点が明確になってきました。
13年11月14日には、自由民主党統合医療推進議員連盟が発足し、多くの先生方からご賛同をいただき、現在277名の入会を得ております。この間、当連盟の活動記録は「統合医療のためにⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」として発行しました。超少子高齢化社会が深刻な我が国において、社会保障費を抑え、真に健康と幸福を手に入れるためには、統合医療の推進は欠かせません。各府省庁のさまざまな政策をより良く生かし合い、それぞれの地域の個性や特性にあった「日本にふさわしい統合医療の在り方」について、広く皆さまからご意見をうかがいながら、議論を深めてまいる所存です。
(つづく)
【取材・文・構成:吉村 敏】
<プロフィール>
橋本 聖子(はしもと・せいこ)
1964年、北海道生まれ。84年、冬季オリンピック・サラエボ大会出場(スピードスケート)。88年、冬季オリンピック・カルガリー大会出場(スピードスケート)。同年、夏季オリンピック・ソウル大会出場(自転車競技)。90年、世界選手権総合銀メダル(スピードスケート)。92年、冬季オリンピック・アルベールビル大会出場(スピードスケート)、1,500m銅メダル獲得(日本人女子初)。同年、夏季オリンピック・バルセロナ大会出場(自転車競技)。94年、冬季オリンピック・リレハンメル大会出場(スピードスケート)、3,000m6位入賞。95年7月、参議院議員自由民主党比例代表に当選。96年、夏季オリンピック・アトランタ大会出場(自転車競技)。現在、参議院自由民主党議員会長、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事、(公財)日本オリンピック委員会副会長など。関連記事
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