九州地銀の2019年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する(5)
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【表1】を見ていただきたい
九州地銀18行の貸出金増加額順位表である。この表から見えるもの
◆貸出金の増加額順位(1位~5位)
・貸出金の増加額トップは福岡銀行で前年比+5,504億円の9兆6,007億円(6.1%増)。預金は前年比+3,999億円の10兆4,456億円(4.0%増)となっており、預貸率は91.9%に上昇している。・2位は熊本銀行で前年比+3,011億円の1兆4,665億円(25.8%増)。預金は前年比▲166億円の1兆4,596億円(▲1.1%)と減少。預貸率は一気に上昇し、100.5%のオーバーパーとなっている。
3位は鹿児島銀行で前年比+2,783億円の3兆3,738億円(9.0%増)。預金は前年比+1,633億円の3兆9,783億円(4.3%増)となっており、預貸率は84.8%に上昇している。・4位は西日本シティ銀行で前年比+2,705億円の7兆12億円(4.0%増)。預金は前年比+2,781億円の8兆3,456億円(3.4%増)となっており、預貸率は83.9%に上昇している。
・5位は親和銀行で前年比+2,610億円の1兆7,523億円(17.5%増)。預金は前年比+56億円の2兆3,353億円(0.2%増)となっており、預貸率は大幅に上昇し75.0%になっている。
◆貸出金の増加額順位(6位~10位)
・6位は十八銀行で前年比+2,583億円の1兆8,687億円(16.0%増)。預金は前年比+510億円の2兆6,671億円(1.9%増)となったため、預貸率は61.1%から一気に10%上昇し、70.1%になっている。ふくおかFGとの経営統合が無期延期となっていたため、親和銀行と貸出競争したものとみられる。・7位は肥後銀行で前年比+2,348億円の3兆4,392億円(7.3%増)。預金は前年比+946億円の4兆6,362億円(2.1%増)となったため、預貸率は74.2%に上昇している。
・8位は佐賀銀行で前年比+1,654億円の1兆6,427億円(11.2%増)。預金は前年比+564億円の2兆2,090億円(2.6%増)。預貸率は74.4%に上昇している。
・9位は宮崎銀行で前年比+886億円の1兆9,557億円(4.7%増)。預金は前年比+660億円の2兆5,167億円(2.7%増)。預貸率はやや上昇し、77.7%となっている。
・10位は北九州銀行で前年比+728億円の1兆1,459億円(6.8%増)。預金は前年比+262億円の1兆1,283億円(2.4%増)。17/9月期の預貸率は97.4%だったが、18/9月期は101.6%となり、預貸率順位は第1位。貸出金の伸び率6.6%に対し、預金は2.4%となっている。2010年10月1日に設立されてちょうど8年。曲がり角にきているようだ。
◆貸出金の増加額順位(11位~18位)
・11位は大分銀行で前年比+637億円の1兆8,031億円(3.7%増)。預金は前年比+495億円の2兆9,452億円(1.7%増)。預貸率は60.1%から61.1%に上昇したものの、預貸率順位は18位と最下位となっている。利ザヤの少ない昨今、今こそ地道な貸出先の開拓が求められているのではないだろうか。・12位は筑邦銀行で前年比+205億円の4,817億円(4.4%増)。預金は前年比+67億円の7,050億円(1.0%増)。預貸率は66.0%から68.3%に上昇したものの、預貸率順位は17位にとどまっている。
・13位以下は順に、宮崎太陽銀行、豊和銀行、長崎銀行、南日本銀行、福岡中央銀行、佐賀共栄銀行で、増加額は100億円以下となっている。
まとめ
今後、経営統合が加速するものとみられる。貸出金に積極的に取り組む姿勢があるかどうかによって、その銀行が「対等に経営統合できるか」、それとも「吸収合併されるか」が決まる大切な時期を迎えているのではないだろうか。
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(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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