2024年11月22日( 金 )

もうすぐ開業20周年!「博多リバレイン」をあわてんぼうママが徹底分析

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 1999年3月6日に開業し、間もなく20周年を迎える大型複合商業施設「博多リバレイン」。福岡市博多区・下川端地区の再開発事業として誕生した同施設は、2002年に運営会社(第3セクター)の破綻といった危機を乗り越え、現在は、ショッピングから文化・芸術、観光まで、幅広い年齢層に親しまれる施設となっている。その現状を、弊社流通メルマガ「店舗ウォッチング」でさまざまな商業施設の視察レポートを寄稿する「あわてんぼうママTさん」がチェック。主婦目線の感想を忌憚なく語ってもらった。

持ち続けていた高級ブランドイメージ

 Tさん ホテルオークラ福岡と博多座、アンパンマンミュージアム、福岡アジア美術館は幾度となく利用したことがあったが、博多リバレインモールには十数年ぶりに入った。というのも、スーパーブランドシティの時代はソラリアプラザにティファニーが、大丸天神店にヴィトンやほかのブランドもあるので中洲に行ってまで購入する必要性を感じなかった。その時のイメージをずっと持っていたので子育て世代となった今、自分の生活スタイルとはあまり関係のない商品しかないところだと思っていた。しかし、高級感は残しながらもブランドバッグやアクセサリーというより、ぐっと生活に基づいた商品を扱う施設へと変わっていた。

アクセスは抜群

 地下鉄駅に直結していてとても便利。天神や博多から少し離れているので、人混みに酔うこともない。また駐車場もあって利用しやすい。だが、施設の規模に対してお客が少なく閑散としていた。キャナルシティや博多駅にたくさんいる観光客も、アンパンミュージアムでは中国人の親子連れを多く見かけたが、リバレインモールにはほとんどいなかった。

九州のいいもの物産館

 今回行ってみて気づいたことは、九州のおいしいものやお洒落で美しいものが集まっている場所だったということ。質と品の良いものが揃っていて、日常的に使うものだけどワンランク上のもので、生活が嬉しくなるようなそんなものが多くあった。日本酒や焼酎の種類が豊富な店舗、朝倉のPGガーゼ、木製家具のデザインと機能性の広松木工、お出汁の茅乃舎など地元九州のブランドが勢揃いしていた。ほかには佐賀マルシェ、オーガニックの食品や肌触りの良い衣料品、焼き物、大ぶりデザインのアクセサリーなど年配の方向けの店が多かった。レストランも雰囲気の良い店ばかりで福岡の有名店が多く入っていた。

コンセプトとターゲットのブレ

 高級感を演出しているせいか、全体的に店内が暗め。その上、テナントのお店も黒や茶色の内装が多いのでさらに暗く感じる。通路はとても広く、昔の高級感を残しつつも地下のリバレインホール横にはアイドルのポスターが数枚貼ってあり、これには違和感をもった。
 子ども服も仕立ての良い、品が良いものが飾ってあったが、試着させようと思ったときに、子ども連れで来にくい雰囲気とリバレインモールで選ぶよりは博多阪急のほうが子ども服店はいっぱいあることを思い出した。ここで買うことはほぼないだろう。
 同じフロアに携帯電話のカバーや衣料品店、ピラティススタジオなど多種多様な店が入り混じっているので、お店が探しにくい。求めたい商品があっても、どの階に行けば買うことができるのかわかりにくいし、ターゲット層もバラバラ。百貨店のように子ども服のフロア、紳士服、雑貨、食品のフロアなど、棲み分けしてほしいと思う。食べ物があるのに美容室の薬剤の臭いがするのも気になった。

 また、博多リバレインモールの残念なところは、エスカレーターでは5階までしか上がれないこと。美術館に訪れた人もアンパンマンミュージアムに訪れた親子もこれでは取り込めない。リバレインモールの多くの商品は、九州でつくられた焼き物や衣類、九州産のものを使った食品など、お洒落でデザインや色が洗練されたものが多く、これは美術館に訪れた人も好みそうなものであった。2階に入っている子どもの玩具を扱うボーネルンドもアンパンマンミュージアムの子どもの対象年齢とほぼ同じ。なのに、リバレインモールには寄らずに帰ってしまうような導線になっていた。アンパンマンミュージアムには常に親子が多数いるのにもったいないと思う。
 人が少ないことが余計に店の入りにくさに拍車をかける。暖簾がかかっているお店はとくに外から見えないので閉鎖的な空間で入りにくい。人が少なくてゆっくり買い物ができる反面、やっぱり寂しい。

リバレインで学ぶ「リバカル」

 リバレインのそれぞれの店舗でワークショップを開催している。ただ、文化サークルなどとは違い、講座の参加費を払ったうえにお店の商品を購入しないといけないのではないかという心配もある。
 そのなかでも参加したいと強く思ったものがあった。1階の茅乃舎では不定期で毎回違う講師を招いて料理教室が行われていた。季節に応じた器の選び方やお正月の料理など、とても好評のようで、毎週通うような料理教室とは違い、自分が参加したい講座だけ参加費を支払って受講すれば良いので気軽に受けられて良いと思った。

お洒落な手土産が多く揃っている

 博多リバレインには日用品や食品スーパーがないので、目的なく入店することはほぼない。目の前の大衆的な川端通り商店街は活気にあふれているが、客層が違うので、あまり相乗効果が望めない。店内に入ってすぐ1階の焼き物フェアには数人いたが、この時間は100円ショップのセリアに10人ほどいたのが最多なのではないかと思う。大塚家具も来店客は1組で、店員のほうが何倍も人数がいた。レストランも観光地価格のようで、周辺にはほかに飲食店がたくさんあるのでリバレインの上の階に上ってまでは行かなくて良いかなと地元の人は思う。ホテルオークラへ行くサラリーマンの通り道になっていた。
 定期的に百貨店のように催事などがあれば、いつもとは違うリバレインを楽しめて、足を運ぶきっかけになる。また、博多座内のお土産コーナーのように露店が通路に並んでいても楽しいのではないかと思う。今のままではいつ行ってもほぼ同じで、一度行っただけでだいたいわかった気持ちになり、めったに行かなくなる。
 日常的には利用しないが、人に会う予定があって、ちょっとしたお土産を買うのには品ぞろえが豊富で、とても良い。少しお洒落をして博多座にお芝居を観にきた帰りにお友だちと非日常を楽しむため、おいしいレストランで食事をしたり、子どもが大好きなアンパンマンミュージアムでは、お誕生日特典も受けられるので、アンパンマンと遊んだ後にお誕生日の食事を家族で楽しんだりと特別な日を過ごすのには丁度いいかもしれない。また、いつも母や祖母の誕生日プレゼントに頭を悩ますので、ここに探しにきたいと思った。

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