2024年11月23日( 土 )

人や車のスムーズな通行を実現する 信号機設置工事のリーディングカンパニー(後)

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九信電設(株)

未経験でも丁寧な研修や資格取得をサポート

 そんな公共性の高い仕事を担っている同社を力強く支えているのが、社員1人ひとりのチカラである。業界自体が珍しいこともあり、新卒はもちろん中途入社の社員でもほぼ業界未経験。そのため新入社員は先輩社員の指導を仰ぎながら知識を身につけていくことになる。しかし工事は当然、複数人数で構成されたチームで進められることもあり、誰かれの区別なく新人を育てる風潮があるという。

 電気工事士などの有資格者はもちろん歓迎だが、資格がなくてもやる気さえあれば、会社が資格取得をサポート。信号機工事にはクレーンや玉掛け、高所作業車といった各種の運転技能関連の資格も必要であるため、これらの資格取得についても会社がバックアップしている。さらに同社は、電気または土木工事施工管理技士(1級・2級)といった難易度の高い資格取得も奨励しており、実際にチャレンジしている社員も多い。未経験から入社して真面目に取り組めば、おおよそ1年もあれば、仕事の段取りができるようになるという。

 たとえば交通事故や災害などによる信号機破損といった不測の事態も起こり得るため、会社としては24時間対応だが、社員が夜中も事務所に詰めているかといえば、そうではない。現在では自宅待機中の社員には携帯端末で連絡が入るようになっているという。また深夜や休日など緊急時の対応は業界各社でもち回り制となっているため、自宅待機は特定の期間だけであり、365日拘束されるわけではないので安心だ。当番月以外の通常の残業時間は月平均10時間程度であり、プライベートをしっかり確保できるので社員からも喜ばれている。

 福利厚生に目を移すと、社員相互の親睦を深める「どんぐり会」というサークル活動を行っている。主にゴルフコンペなどを行っているが、ここには社員だけでなく、メーカーなど取引先にも声をかけて、コミュニケーション向上に努めている。さらには慰安旅行も魅力。18年は宮古島が予定されているということだが、これまで北海道や中央アルプス、台湾、韓国、グアムなどを訪れた。不具合や事故に臨機応変に対応しなければならない仕事であるため、どうしても2泊3日が限度で、海外でも近場に限られるのは宿命か。その分、上質なリゾートホテルに泊まり、ゆったりと日ごろの疲れを癒やしている。

 社員各自に話を聞くと、「信号機工事という社会的に意義のある仕事に誇りをもっている」と口々に答える。働きやすさに加えて、仕事に対する誇りを実感することで社員の定着率も高い。

 黒木社長を始め社員が大切にする、「誠実」「謙虚」「行動」の3つの理念のもとで事業展開する九信電設。官公庁や警察からの厚い信頼に応えるとともに、安心安全のまちづくりに貢献している地域密着型企業である。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:黒木 善弘
所在地:福岡市東区千早1-35-11
設 立:1980年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-671-5025
URL:http://www.kyushin.com

<プロフィール>
黒木 善弘(くろき・よしひろ)

 1980年7月、九信電設(株)を設立。信号機工事、街路灯工事を主体に業務を実施。福岡県知事表彰、黄綬褒章の受章など、公人・私人としても社会貢献に尽力している。

(前)

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